抵抗変化メモリの知的材料設計 - 計算機マテリアルデザイン先端研究事例 2

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抵抗変化メモリの知的材料設計 - 計算機マテリアルデザイン先端研究事例 2

  • 著者名:笠井秀明/岸浩史
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 大阪大学出版会(2021/11発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784872592559

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内容説明

統計的相関,力学的相関のため,金属中の電子はその周りに正孔を伴って運動している.金属から真空中へ電子を取り出そうとすると,この正孔が抵抗する.仕事関数の主な原因である.それでも,電子を取り出してしまうと,正孔が取り残される.これと電子間に鏡像力が働く.金属と真空との境界近傍の一つの現象である.



  絶縁体の電子の運動は,どうか.価電子帯の電子は正孔を伴っているのでエネルギーが低いが,伝導体の電子の周りには正孔がないのでエネルギーが高くなる.この差がバンドギャップの主な原因である.このような絶縁体と金属との境界付近では,金属電子が絶縁体の価電子帯の正孔を遮蔽するので,バンドギャップを消失する.界面近傍で見られる金属・絶縁体転移である.

 

  このように,異なる物質の境界では,電子状態の多様性を見出すことができる.物質を構成する原子も境界近傍では,多様な振舞いを見せる.ここで取り上げる抵抗変化メモリでは,このような電子・原子の多様性をうまく利用しようとしている.



  本著では,計算機マテリアルデザイン(CMDR)による先端研究事例Ⅱとして,抵抗変化メモリの知的材料設計をとりあげ,絶縁体のバンドギャップの変化や異なる物質の境界(電極/遷移金属酸化物界面)における電子・原子の状態変化が,どのようにデバイスの動作に結び付くのかについて紹介する.読者の皆様には,電子・原子といった微細なスケールから物理現象を明らかにし,デバイスをデザインする面白さを実感して頂きたい.



(本書はじめにより)

目次

抵抗変化メモリの知的材料設計
本扉
はじめに
目  次
1 .序 論
 1-1.計算機マテリアルデザイン
 1-2.不揮発性メモリの発展
 1-3.抵抗変化メモリの概要
 1-4.抵抗変化メモリの課題
2 .抵抗変化メモリの電子状態
 2-1.緒 言
 2-2.遷移金属酸化物の電子状態[ReRAM の高抵抗状態(図1.3(Ⅰ))]
 2-3.電極の電子状態
 2-4.電極/遷移金属酸化物界面の電子状態
 2-5.結 論
3 .抵抗変化メモリの動作原理の解明
 3-1.緒 言
 3-2.酸素欠損および電子トラップの役割[ReRAM の低抵抗状態(図1.3(Ⅲ))]
 3-3.電極/遷移金属酸化物界面の抵抗変化[ReRAM のセット(図1.3(Ⅱ)およびリセット(図1.3(Ⅳ))について]
 3-4.外部電場の効果
 3-5.結 論
4 .抵抗変化メモリのデザイン
 4-1.緒 言
 4-2.電極に用いる材料のデザイン
 4-3.遷移金属酸化物材料のデザイン
 4-4.動作原理の阻害要因の検討
 4-5.結 論
5 .総 括
 5-1.抵抗変化メモリの動作原理と設計方法
 5-2.シミュレーションによる知的設計
参考文献
付録 伝導パスの形成について
 1.遷移金属内包カーボンナノチューブ
 2.異種遷移金属酸化物薄膜
 付録:参考文献
索  引
奥付

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