内容説明
始皇帝、項羽と劉邦、曹操ら英雄が活躍した古代の中国。二千年前の人々はどんな日常生活を送っていたのか。気鋭の中国史家が文献史料と出土資料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、古代中国の一日24時間を再現する。口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂、酒に溺れ、貪欲に性を愉しみ……。驚きに満ちながら、現代の我々ともどこか通じる古代人の姿を知れば、歴史がもっと愉しくなる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
127
面白かった。「朝」とは月光のもとで太陽が草むらからのぼるさま…なるほど。市場で普通に死刑囚の処刑がなされていたことに驚き。日中は外出してるのが常識で「ひきこもり」には優しい社会でなかった、今も昔も変わらない嫁姑問題…朝起きてから夜寝るまでの古代中国の人たちの生活風景、息づかいが感じられて興味深かった。2022/02/16
KAZOO
113
中国の秦漢時代にスポットを当てて民衆の生活がどのようなものであったかをよく分析しておられます。有名な事件や皇帝・貴族などについてはかなり様々な資料でわかることもいいのですが生活感というものがわかりませんでした。さまざまな資料を渉猟してこのような楽しい本を書いてくれて当時の時代に浸かるというのもいいですね。2022/04/11
まちゃ
102
読者が約二千年前の古代中国(秦漢時代)にタイムスリップし、当時の人々の日常生活を体験するという設定の歴史探訪。英雄・偉人譚とは、また違った服装、食事から宴会、性愛、子育てなどの日常史。面白く読めました。2022/07/03
Tomoichi
83
著者の前作「劉備と諸葛亮」を酷評した記憶があるが、秦漢時代の日常生活に迫った本書は面白い。詐欺師の手口は2000年変わらないというが、人間の生活も変わらない。起きて寝て食べてウンコして(笑)2022/01/22
たま
66
秦漢の時代の人々の日常生活を、起床から就寝まで身支度、食事、衣服、住居、仕事等を描く。これほど細かく分かるものかと感心したが、2千数百年前とはいえ、人間の身体や自然環境にそれほど変化はないのだとも思う。著者によれば中国古代史史料は新書100冊分程度の漢字であり、著者は10年ほどかけて日常史関連の記述を見つけては付箋を付け、また建築遺構、石器、土器等の資料も参考にしたとのこと。エピローグには古代史学におけるこの研究の意義が、先行研究の概観と想定される批判を念頭に置きつつ述べられていて、この部分も面白かった。2023/03/08
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