内容説明
始皇帝、項羽と劉邦、曹操ら英雄が活躍した古代の中国。二千年前の人々はどんな日常生活を送っていたのか。気鋭の中国史家が文献史料と出土資料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、古代中国の一日24時間を再現する。口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂、酒に溺れ、貪欲に性を愉しみ……。驚きに満ちながら、現代の我々ともどこか通じる古代人の姿を知れば、歴史がもっと愉しくなる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
126
面白かった。「朝」とは月光のもとで太陽が草むらからのぼるさま…なるほど。市場で普通に死刑囚の処刑がなされていたことに驚き。日中は外出してるのが常識で「ひきこもり」には優しい社会でなかった、今も昔も変わらない嫁姑問題…朝起きてから夜寝るまでの古代中国の人たちの生活風景、息づかいが感じられて興味深かった。2022/02/16
KAZOO
112
中国の秦漢時代にスポットを当てて民衆の生活がどのようなものであったかをよく分析しておられます。有名な事件や皇帝・貴族などについてはかなり様々な資料でわかることもいいのですが生活感というものがわかりませんでした。さまざまな資料を渉猟してこのような楽しい本を書いてくれて当時の時代に浸かるというのもいいですね。2022/04/11
まちゃ
101
読者が約二千年前の古代中国(秦漢時代)にタイムスリップし、当時の人々の日常生活を体験するという設定の歴史探訪。英雄・偉人譚とは、また違った服装、食事から宴会、性愛、子育てなどの日常史。面白く読めました。2022/07/03
Tomoichi
68
著者の前作「劉備と諸葛亮」を酷評した記憶があるが、秦漢時代の日常生活に迫った本書は面白い。詐欺師の手口は2000年変わらないというが、人間の生活も変わらない。起きて寝て食べてウンコして(笑)2022/01/22
よっち
65
気鋭の中国史家が史料を読み込み、今から二千年前・中国の秦漢時代の人々が毎日朝から晩までどんな日常生活を送っていたのかを明かした一冊。考古学も参照しながら、服装、食事から宴会、子育ての様子までその実像を丸裸に迫る一冊で、口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂し、酒に溺れ、貪欲に性を愉しんだりと、ここまで書き上げるのにどれくらい調べたのかとても気になりましたが、それでいて新書一冊のわりと読みやすい文体で、当時の生活が広く網羅された形で紹介されていて、当時はこんな感じだったんだなとなかなか興味深く読めました。2022/06/29