内容説明
同じような部品や機械を使っても、できあがった自動車の性能はまったく違うものになる。その違いを生むのは生産方式だ。「ジャスト・イン・タイム」「かんばん方式」――トヨタ自動車は「トヨタ生産方式(TPS)」に則り優れた自動車を作り続けてきた。「日本人が作った車で生活が豊かになる」と夢見た三河の自動織機会社が世界のトヨタになるまで。TPSの最深部を描き切った巨編ノンフィクション。(解説・千住博)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
97
日本最大のと言うよりも世界最大級の自動車メーカーであるトヨタ。タイトル通りにその誕生から現在までの物語。事業戦略や新車開発よりも大野耐一氏やその門下生達が手掛けた「カイゼン」や「トヨタ生産方式」による生産コスト削減に重きを置き、多くのページを割いて語られている。やっぱりトヨタと言う会社のDNAはそこなんだろうなぁ。丹念に取材をされて書かれているとは思うけれど、残念ながらトヨタの良い面しか述べられていない。これじゃ「御用社史」と変わりないんじゃないかな。ノンフィクションとしてはその辺がちょっと残念。★★★+2022/03/30
あすなろ@no book, no life.
92
7年70回トヨタを訪れ、あの野地氏が著したトヨタ。これは読まずにに居られないと書店平積より購入。結論としては、本書は大野耐一氏のあの有名著書であるトヨタ生産方式を読了したことある方に一度読んで欲しい。あの本は何処か不完全燃焼的な面が燻るが、この本はその完璧な副読本となる。勿論本として得る物は多いから限定したくないのだが、そうした面を持つ程の力作である。戦中の喜一郎氏からコロナ禍前迄のトヨタはこの著書で充分学べると思う。僕はかなり勉強となったが、特に豊田喜一郎氏と大野耐一氏に関し知らぬ事が知れた一冊となった2022/05/07
雲をみるひと
29
トヨタ生産方式の進展を中心にトヨタの歴史を記した大作。豊田喜一郎や大野耐一などトヨタの生産の礎を築いたキーマンにかなりの紙面を使っている。長編だが少なくともトヨタをある程度知っていれば、苦なく読めると思う。基本的にトヨタ式を礼賛するスタンスで御用本のような印象を受けるかもしれない。2022/05/06
Syox
18
トヨの歴史が詰まった一冊。 今では世界のトヨタと言われるほど有名な企業ですが、やはり激動の時代を生き抜き、その都度トヨタを支えてきた人たちがいたからこそ、今のトヨタがあるのだと思いました。 また「かんばん方式」については、表面上を知っているだけでは真に生かせる生産方式などでは無いことも知れ、奥深いシステムであることも知れました。2024/03/19
ベンアル
14
実家にあったので借りて読んだ。自分の会社もTPSを導入しているので気になって読んでみた。現場に行って作業者と同じ目線で考えること、危機感を持つこと、過去を否定することが大切だと実感した。2024/08/12
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