内容説明
新しい共和主義の礎と「人民主権」の理論を打ち立て近代を創始した哲学者、売れっ子の作家であり作曲家、子供を孤児院に預けて教育を論じ、顰蹙を買うような告白を書きつけ、妄想に取りつかれた奇人……ジャン=ジャック・ルソーとは何者だったのか? 「自己充足」というキー概念から、その生涯、作品、思想をトータルに解釈する試み。
目次
まえがき
凡例、略号一覧
序章 異端者ルソー──文化の世俗化とフランス啓蒙
I ルソーの生涯
第一章 波瀾万丈の生涯
1 ルソーの生涯の時代区分
2 ジュネーヴのルソー
3 ヴァランス夫人とともに
4 パリのボヘミアン
5 有名人ルソー氏
6 モンモランシーにて
7 亡命者
8 「陰謀」の網の目のなかで
第二章 ルソーの人生に関するいくつかのこと
1 書く人ルソー
2 ジュネーヴ人ルソー
3 異邦人ルソー──英国ぎらい・フランスびいき
4 出自から見たルソー──民衆の視点
5 旅と職業経験、そして教育
II ルソーの作品
第一章 マイナーな著作
1 修行時代の諸作品
2 デビュー後の小品
3 科学関連テキスト
4 音楽関係の作品
5 植物学の作品
6 翻訳
第二章 主要著作と思想の発展
1 発表年代順に見た主たる著作
2 ルソー思想の発展と著作との関係
第三章 第二論文以降のルソーの知的営為──主題別系譜
1 政治哲学
2 宗教哲学
3 教育論
4 小説
5 自伝
6 書簡
7 構想で終わった作品
第四章 ルソーの主要作品解説
1 第一論文から論争的著作群を経て第二論文まで
2 第二論文以降、主要三部作へ
3 主要三部作
4 亡命時代の論争的著作
5 統治論二篇
6 自伝的諸作品
III 思想の検討──自己充足の哲学
第一章 『告白』をめぐる批評的言説
第二章 言葉の発見へ
第三章 自然へは帰れない
第四章 キー概念としての自己充足
第五章 ルソー思想の基本構造
第六章 ルソー的アウタルケイアと本来的社会状態
第七章 神の充足・人間の非充足
第八章 身体と肢体、あるいはパスカルとルソー
第九章 震災が生んだ神学論争、あるいはヴォルテールとルソー
あとがき
初出一覧
文献表
事項索引
人名索引
図版一覧
著者略歴
1947年生まれ.中央大学文学部教授.専門は18世紀フランス文学,思想史.著作に『菩提樹の香り─パリ日本館の15カ月』(中央大学出版部,2010)共著書に『哲学の古典101物語』(新書館,1996),『フランス哲学思想事典』(弘文堂,1999),『自伝の名著101』(新書館,2000),『グローバル化と文化の横断』(中央大学出版部,2008),訳書にJ・J・ルソー『ポーランド統治論』(白水社,1979),同『フランキエール氏への手紙』(同),アベ・シャップ・ドートリッシュ『シベリア旅行記』(岩波書店,1991),アベ・プレヴォー『ブリッジの物語』(岩波書店,1997),ルイ・リュスタン・ド・サン=ジョリ『女戦士』(岩波書店,2000),アベ・テラソン『セトス』(同),アベ・コワイエ『軽薄島の発見』(同),共訳書に,ピーター・ゲイ『自由の科学─ヨーロッパ啓蒙思想の社会史』I・II(ミネルヴァ書房,1982,1986),ジャン・ドリュモー『恐怖心の歴史』(新評論,1997),ほか.
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