ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学 - 一般意志・人民主権・共和国

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ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学 - 一般意志・人民主権・共和国

  • ISBN:9784326102297

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内容説明

近代の個人と集団の解放をもっとも根源的に構想したルソーは、文明への不信・情念無視の合理性批判・代表制の拒否という意味で啓蒙の異端者でもあった。本書は、ルソーの思想を政治的近代の概念史と政治理論のなかに位置づけなおし、こんにちの政治社会を分析する際の導きの糸を示す。

目次

目次

まえがき 現代によみがえるルソー――ブリュノ・ベルナルディによる解釈の革新[三浦信孝]

序章 啓蒙の異端者ルソー
 距離を置く場――第一論文と第二論文
 一般意志と公共の知の光――ルソーの政治的問題提起
 絶対的存在と関係的存在――人間の条件
 解題[永見文雄]

第1章 ルソーと共和主義、正しい理解と間違った理解
 ルソーは共和主義の思想家か?
 政体類型論と二つの主権概念
 「カルヴァンの弧」の都市における貴族的共和主義
 代表制の否定と積極的政治的自由
 抵抗権と叛乱する権利
 「徳の共和国」はルソーによるものではない
 非支配としての自由か自律としての自由か
 ペティットはルソーを共和主義の伝統から除外する
 ルソーはフランス共和主義の源流か?
 複数の共和主義という展望
 解題[三浦信孝]

第2章 『エコノミー・ポリティック論』における
 〈一般意志〉概念の形成
 強いられた概念創出
 一般意志以前の一般意志
 不一致の形を取った負債
 距離を置くことで、根拠づける
 解題[永見文雄]

第3章 ルソーとともに〈世論〉を再考する
 世論概念の両義性
 ルソー思想における世論概念の生成
 「監察について」――国法諸原理における世論
 世論は一般意志の必要な補完物
 義務の根拠づけと義務の感情は別物である
 社会的一体性の情動が公共的理性を支える
 結論
 解題[三浦信孝]

第4章 『戦争法の諸原理』と政治体の二重の本性
 戦争、戦争状態、戦争法――ルソーの諸原理の閑却された側面
 国/力と主権――政治体の二重の本性について
 解題[川出良枝]

第5章 ジャン・ドブリとルソー――法律、習俗、そして人民の「暗黙の教育」
 マイナーなテクストのメジャーな争点
 「われわれの法律は理性のように純粋で、理性のように冷たい」
 ルソーの解釈者としてのジャン・ドブリ――回顧的読解の試み
 解題[王寺賢太]

第6章 最期の言葉、『孤独な散歩者の夢想』
「第一〇の散歩」を読む
解題[永見文雄]

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

4
2013年の来日講演。「ルソーの根本的主張は、モンテスキューにも自然法学者たちにも明確に対立するもので、道徳的規範と市民としての規範の分離がひとつの空隙を生んでおり、その空隙は個人の利益や趣味を考慮するだけでは埋められず、世論によって埋められる、という主張…この主張は『手紙』で提示されたが、展開はされなかった。1758年のダランベールへの反論では、ルソーはまだその独創的な政治理論を動員できてはいない。法律が作られる方法は解明されず、政府の概念は通常の意味で使われ…世論の位置を明確にすることはできていない」2023/07/06

takao

0
ふむ2025/06/16

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