産む産まないは女の権利か - フェミニズムとリベラリズム

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産む産まないは女の権利か - フェミニズムとリベラリズム

  • 著者名:山根純佳
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 勁草書房(2021/11発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326652976

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内容説明

フェミニストが主張する「私の身体は私のもの」と、リベラリズムの身体の自己所有の概念とは同じものか。それぞれの特徴を探る。フェミニズムは「女の身体は女のもの」という中絶の自由の主張を、リベラリズムの権利の概念を用いて正当化してきた。しかし胎児の生命のとらえ方をめぐって、リベラリズムに対していらだちや違和感をかかえこんでいる。女性の権利と胎児の権利の衝突をどう調停すればよいのかを考え、二つの思想の特徴を明らかにする。リベラリズムを批判的に相対化しようとする試み。

目次

はしがき

序章 産む産まない権利とリプロダクティブ・フリーダム
 1 中絶の権利の諸問題
 2 リプロダクティブ・フリーダムと中絶の「権利」

I フェミニズムとリベラリズムの相克

第一章 井上達夫・加藤秀一の論争
 1 中絶は権利葛藤問題か
 2 論争のすれ違いが意味するもの

II 身体を所有する権利をめぐって

第二章 所有権としての中絶の「権利」
 1 身体の自己所有の原則
 2 所有権による中絶の正当化1――パーソン論における中絶の「権利」
 3 所有権による中絶の正当化2――ジュディス・トムソン「人工妊娠中絶の擁護」
 4 所有権に対するフェミニストの異議――「胎児の両義性」の主張

第三章 身体的統合の平等としての中絶権――ドゥルシラ・コーネルの試み
 1 身体的統合の権利と中絶
 2 コーネルは所有権を乗り越えたか

第四章 「身体」の再編
 1 <対象としての身体>から<私が存在する身体>へ
 2 胎児と「私の身体」の境界
 3 <私の身体は私のもの>再考

III プライバシー権をめぐって

第五章 公私の分離原則とプライバシー権
 1 正の善に対する優位
 2 中立性の原則
 3 個人の独立性
 4 プライバシー権としての中絶の位置づけ
 5 フェミニストのプライバシー権批判

第六章 「ケアの倫理」とリベラリズム批判――キャロル・ギリガンの『もうひとつの声』
 1 もうひとつの声
 2 ケアと正義(リベラリズム)をめぐる論争
 3 ケアの倫理と再生産責任

第七章 宗教的自由としての中絶の「権利」――ドゥオーキンの『ライフズ・ドミニオン』をめぐって
 1 「価値」問題としての中絶
 2 「宗教的自由」論はプライバシー権批判をのりこえたか

終章 リプロダクティブ・フリーダムに向けての課題
 1 リベラリズムとの決別
 2 フェミニズムと「孕む」こと――「生命倫理学」を超えて
 3 リプロダクティブ・フリーダムに向けての課題
 4 リベラリズムとフェミニズムの今後

あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yui.M

13
中絶というものをめぐって、自己や権利がフェミニズムとリベラリズムとではどう考えられ定義されているかをとりあげ、お互いの思想の相違点をあらわにする試み。2017/06/13

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