内容説明
花やかな文豪達による<新>ハムレット競演。
収録作品は以下の通り。
巻頭8ページ口絵(4色)「ハムレット」をテーマにした銅版画=描き下ろし
巻頭詩 谷川俊太郎「初夏のハムレット」=書き下ろし
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太宰治「新ハムレット」(長篇小説)
芥川比呂志「ハムレット役者」(「タイツ」「三度目の正直」「太宰治とともに」エッセイ三篇)
志賀直哉「クローディアスの日記」(短篇小説)
小林秀雄「おふえりや遺文」(短篇小説)
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ランボオ(小林秀雄訳)「オフェリヤ」*詩 (ランボオの同じ詩を二人の訳者で収録)
ランボオ(中原中也訳)「オフェリア」*詩
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大岡昇平「オフィーリアの埋葬」(短篇小説)
ラフォルグ(吉田健一訳)「ハムレット――或る親孝行の話」(中篇小説)
福田恆存「ホレイショー日記」(中篇小説)
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小栗虫太郎「オフェリヤ殺し」(最後に異色ミステリ二作=中篇小説)
久生十蘭「ハムレット」
※この作品はカラーが含まれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
105
谷川俊太郎:フォーティンブラスは今日も代役。太宰『新ハムレット』、登場人物たちはみな、相手の話をよく聞かずに理解したつもりで誤解するため、不穏を生む。藪の中においてしまう技量。志賀直哉『クローディアスの日記』もいいが、詰めが甘い…、というか、他の誰も仕上げ切れていない。『おふえりや遺文』は書ききれなかった小林秀雄だが、「ある人物に名付けたハムレットという概念が普遍化された概念となって人の心に生きるとはシェイクスピアという人がよほど偉かった証拠だ……天才のつくる所万事かくの如し」とくるとはやはり評する人。2022/09/16
たつや
7
太宰治が読みたくて借りたら、まさかのオムニバスでしたが、豪華な内容で、編集部のセンスが際立ち、面白かったです。2024/11/22
takao
4
ふむ2022/09/06
えっ
4
最近やっとハムレットを読み終えたのだけど、ハムレットを読了するとこんなに色々読めるものが増えるなんて賑やかで楽しくてびっくり。あまり読書家じゃないので初めて触れるような文章が多くて面白い。どれも良かったけどホレイショー日記、九生十蘭のハムレットが特に好きだった。2021/12/31