内容説明
ニュースという名の「悪意」――。
累計75万部突破『罪の声』の著者、真骨頂の報道小説!
地方紙記者の沢村は、調査報道チームのデスクから一枚の写真を見せられる。
同僚記者が、ひき逃げ事件の犯行車両とスクープしたものだ。
「この車、遺族宅にあるらしい」。
沢村は取材へ急行する。
犯人は家族なのか――(「黒い依頼」)。
「誤報」を通じて現代社会の虚と実に迫る、著者会心の傑作。
NHKドラマ原作
吉川英治文学新人賞受賞作
解説 武田砂鉄(ライター)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
82
え?え?これで終わり??2022/04/08
HANA
81
「誤報」「捏造」をテーマにした連作短編集。最近特に巷を賑せているフェイクニュースであるが、マスコミはネットをネットはマスコミを、お互いそう呼んで憚らない現実がある。読む前は誤報についてそれに振り回される人間の話かと予想していたが、読んでいると問題はそれどころではなくもっと根深いものであった。新聞やTVなど情報の発信源であるがゆえにそれに振り回される様や、時代の最先端を自任しそれとは無縁のようなネットニュースもまた然り。本書は小説であるが、いつの日か起こっても不思議ではないような怖いリアリティも感じました。2021/12/01
オーウェン
64
各章の冒頭に新聞記事が載っており、それらを絡めて実は誤報だとしたらという展開。どの章もその誤報がいかにして発生したのか。またそれに対し新聞記者がどういう対応を取るのかが見もの。 1章の「黒い依頼」から、どんよりする展開を見せるが、誤報を載せたから謝罪記事ではい終わりではないということ。 大衆から個人へと移行する様がなんとも心苦しい。 そして4章までのまとめが5章へと繋がっていき、実は裏の壮大な組織が種明かしされる。 これは明らかに長編にして、じっくりと推移を見たいのだが、塩田さん書いてくれませんかねえ。2025/02/18
あきら
59
すべてはフェイクなのか。何を信じたらいいのか。 構成があまりに巧妙で、とてつもない奥行き。 途中まで読み進めて理解していた世界の狭さを後半で思い知る。 闇の深い小説です。 2021/11/28
TAKA
52
メディアによる誤報。今の時代何が本当で何が嘘なのかわからなくなってきた。これもメディアが落ちぶれた証拠だろう。真実とはなにか嘘というより騙すのが目一杯拡大されててフェイクニュースなんてザラですからね。ジャーナリストの矜持たるものが無くなってるんだろう。記者は現場。相賀さんのような人はまだいるのだろうか?登場人物が多くていまいち終点が掴めなかった。2025/07/26
-
- 電子書籍
- 毎日死ね死ね言ってくる義妹が、俺が寝て…
-
- 電子書籍
- プリンスと結婚〈世紀のウエディング・エ…
-
- 電子書籍
- 雷神とリーマン三【電子限定かきおろし付…
-
- 電子書籍
- 天馬の血族 (20)
-
- 電子書籍
- いつか、この世界で起こっていたこと