内容説明
ここからはじめる『失われた時を求めて』
2021年で生誕150年を迎えるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』は、多くの人にとって「いつかは読んでみたい」「途中で挫折したけれど、もう一度挑戦したい」小説のひとつでしょう。3000ページからなり、500人の登場人物がいるこの作品を、プルースト自身は大聖堂に喩えています。圧倒的な大きさ、この上なく精緻な細部に、躊躇したり、読む気をなくしたりするのは無理もないことかもしれません。
この本の目的はただひとつ、そうした先入観を払拭することにあります。著者は斬新でわかりやすい3段階のアプローチで『失われた時を求めて』への扉を開いてくれます。まず、プルーストとはどういう人物だったのかを確認します。そして、厳選した引用をちりばめて基本的な登場人物たちを紹介しながら、なぜプルーストを読むのかということについて、12の理由から考えていきます。最後に「花咲く乙女たちのかげに」の断章の分析を試みることで、プルーストの書き方の特徴にふれます。巻末には訳者による固有名詞索引や関連年表をつけました。
そっと背中を押すように、この本はきっとあなたを『失われた時を求めて』の世界へと連れていってくれることでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
川越読書旅団
31
「失われた時を求めて」チャレンジの一助にと購入。プルーストの生い立ちや人となり、「失われた時を求めて」を読了することの意義をランダムに叙述。プルーストを簡潔に理解するに理想的な情報量と構成なのでは。2021/05/09
こまり
20
「失われた時を求めて」題名は聞いたことがあったが、内容は知らなかった。3000ページからなり500人の登場人物がいるというものすごく長い100年位前に書かれた小説。この本の目的は、難解だという先入観を払拭することだという。作者がどういう人物であったか、またテーマは何か、そして登場人物を紹介し、ともかく「失われた時を求めて」を読んでみたいと思ってもらうこととある。時代背景、家族構成、友人知人など実に面白く読みやすかった。この本を読み終わった今、まさに読みたいと思っている私がいる。人生を変える本、らしい。2021/05/18
tom
18
プルーストを再読中。そんな中でこの本を知る。原題は「プルースト早わかり」。読む気をなくしたり、読みにくいという人のため、先入観を払拭することを目的にした本。ただし、目的を達したかといえばどうだろう。この本を読んで、なんのこっちゃと思い、読む気を失う人は多々という感じがする。でも、私には、なかなかの良書。「失われたとき」の意味は、「むなしいことにかまけて無駄にする時間を指す」とのこと(笑)。登場人物それぞれの分かりやすい紹介、文体の不思議さの理由などなど、再読中の私にはメリットが多々。2024/01/05
かもめ通信
14
扉の向こうは無限のひろがり! マルセル・プルースト生誕150年の記念日に。2021/07/10
belle
13
大学の入学祝いに「失われた時を求めて」を買ってもらったという高校の同級生は詩を書いていた。もう消息も知らないが、時を経て私は昨年から読み始め、今は『ゲルマントのほう』を行きつ戻りつしている。こうして~プルーストへの扉~を開いたのも、散歩するのも、「失われた時を求めて」を読む日々の一部であり、楽しみだ。それは読了への遠回りではなく、混じり合い、溶け込んでいくような。2021/03/09




