内容説明
動物の感情世界をめぐる科学はこのところ大きな進歩を見せていますが、
彼ら彼女らが死をどう認識しているのか、また飼い主との別れについて
どう思っているのかという、私たちを悩ませる最大の問題については、
いまでも明確な答えは出ていません。
また、飼い主が動物との別れにどう向き合えばいいのか、喪失の悲しみを
どう捉えたらいいのか、という「最期のとき」にまつわる問題も、難しい課題です。
それらの問いについて、『ゾウがすすり泣くとき』などの著書があり、動物の心の問題を
ライフワークとしてきた著者が、動物と人間の交流の多種多様な事例を通して、
その核心に迫ります。ペットと人間の絆を考えるのに最適な書です。
【項目より】
伴侶動物の死について考える/ 人間以外の生物の感情を探求する/犬とともに進化した人間/人との絆にも劣らない動物との関係
/動物に愛はあるのか/猫が人の死を見分ける?/命の恩人と生きたクロコダイル/帰宅を迎えるフグ/人間と仲良くなりたかったシャチ
/自分の心に従って悼めば良い/買うのではなく、引き取ろう/様々な追悼のあり方……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
29
点訳校正終了。一文字一文字追っていくにはとても重い内容であった。死といってもその原因はさまざま。病気や事故等々。人の手が加わった死か本当に寿命だったのか。それによっても受け取り方は違う。動物は本能で自分の寿命はわかるかもしれないがそれを伝える術がない。飼い主が日々観察することも必要だろう。野良猫や野良犬は最近は保護活動も進んではいるがまだまだ現実は厳しい。人の事情によって命を終わらせられる動物が減ることを祈る。子供のころチャウチャウ犬は食用だと聞き驚いたた。そういう地域もあるのを認める必要もあるのかな。2023/09/16
Apple
25
飼っているペット(伴侶動物と呼ぶ方が適切みたいですが)を失うことが家族や親友を失くすのと同じくらい、時にはそれ以上の喪失であることがわかりました。生き物を飼った経験のある方は、程度の違いはあっても似たような経験をされているのだろうなと思いました。動物にも当然感情があるということを、よく考えなければいけないなと思いました。2024/03/13
駒場
8
心の科学、とあるがちょっとずるい邦訳で、原題通りこれは「コンパニオンアニマルの死」にいかに向き合うかという本だと思う。様々な動物たちとの別れ、死に際した動物たちの行動などを描きながら、ペットとの死に別れに心を引き裂かれそうな人間たちに準備させようとする本2022/03/29
猫森
8
「悲しみという代償なしに、愛することはできない。」悲しさを無理に乗り越えようとする必要はない。犬、猫、鳥、ネズミ、七面鳥、馬、ワニ、フグ。愛したことを否定することもない。失ったことはとてもとても悲しいけれど、出会わなければよかったなんて、決して思わないもの。そうでしょ? 悼む時間は、私だけの、またはあなただけのもの。もし君が生まれ変わったら、また家族になりたいな。2022/04/01
ひさしぶり
8
LOST COMPANIONS : 2022/01/17