内容説明
各種資格を保有する、プロのベビーシッター・茨木花。今度の派遣先は、両親ともに政治家という大和家だが、母親の不貞で夫婦関係は破綻し、父子家庭になるらしい。3歳になる娘・七海のシッターになる花だが、七海の誕生パーティー当日、プレゼントをめぐるある事件が起きて……? また、七海と同じスイミングスクールに通う、5歳の男の子・葉山櫂と知り合った。賢くて人懐っこい櫂は、不動産業を営む優しい父親と、お菓子作りが得意な母親と三人暮らし。誰からも幸せそうに見える葉山一家。しかし、ふとしたきっかけで、この理想的な家族に思いもよらない秘密があることに気づいた花は……。
目次
第一話 わたしの乳母は良い乳母
第二話 迷い子たちはお菓子の家を見るか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
38
ナニーの花が派遣された先は、両親ともが都議会議員という下町の由緒あるお宅。七海ちゃんをみごもってからの、議員として、妻としてのままならない日々。出産してからも逃れられない『女・母』という世間の目。反目する他会派の議員と不倫した母。世間の目の厳しさで私も読んでいましたが、人を判断するのは難しい。決して悪い母では無いのは七海ちゃんをみているとわかる。そして七海ちゃんのスイミング友櫂君も、里子として大人の都合で振舞わされる。子どものお世話ということから炙り出される切ない話に涙が何度も溢れました。良い本でした。2021/12/12
よっち
36
各種資格を保有しながら苦い秘密を抱えるプロベビーシッター・茨木花。彼女が両親とも政治家だが母親の不貞で夫婦関係は破綻し、父子家庭になる大和家に派遣されるお仕事小説。3歳になる娘・七海のシッターになった花が、七海の誕生パーティー当日に直面したプレゼント事件、七海が通うスイミングスクールで知り合った5歳の男の子・葉山櫂の秘密。真摯に向き合う花の仕事ぶりが描かれる思っていた以上にぐいぐい読ませる展開で、里親制度の難しさには何とも複雑な気持ちになりましたが、最後に待っていたサプライズには本当に救われる思いでした。2021/11/22
み
23
ジャケ読みした作品、初読みの作家さん。まさか涙腺が弛むとは(@_@)どのキャラも素敵やらキュートやら^ ^里親制度も複雑なんですね。読んで良かったです。2022/02/26
はるき
16
ドタバタ系お仕事小説かと思いきや、かなり深堀りでした。子供の幸せという大きなテーマを、今後シリーズ化してエンタメとして昇華して欲しいな。2022/01/26
しましまこ
14
イラスト買い。児童福祉の問題は怒りしかないわ。派遣先の父子家庭は出来すぎてて苦手分野。2021/11/23