内容説明
いつも乗ってる電車の経路。そこがまっすぐ、そこでカーブ。
そんな線路のルート取りには、複雑な歴史が眠っています。
当たり前すぎて誰も気にもしなかったところ、
「定説」が実はそうでもなかったところ。
大好評「東京篇」に続き、今度はカラーページも交えて
神奈川・千葉・埼玉、さらには茨城・栃木・群馬県に広げて
「首都圏篇」として19の線路を、わかりやすい地図とともに解説します。
【第一章】クネクネの線路には歴史がある
なぜ品川~大崎は急カーブなのか?
なぜ上野公園直下の京成線はジグザグに曲がるのか?
なぜ八高線の経路がねじ曲げられたのか?
なぜ野田線が直線で新京成線が曲がりくねるのか?
なぜ千葉駅はY字の付け根にあるのか?
なぜ両毛線はジグザグの路線なのか?
なぜ常磐線は大きく迂回して水戸に入るのか?
【第二章】ゴチャゴチャの線路には理由がある
なぜ西武新宿線と西武池袋線は途中で交差するのか?
なぜ多摩湖周辺の西武線の線形は複雑怪奇なのか?
なぜ大井町付近の鉄道は錯綜しているのか?
なぜ武蔵小杉に鉄道が集中するのか?
鶴見線の不思議な路線図
なぜ横須賀線と京急線は久里浜を目指したのか?
なぜ京葉線だけ東京駅と直交しているのか?
なぜ成田に向かうJR線は2系統あるのか?
【第三章】まっすぐすぎる線路にはウラがある!?
なぜ東横線は平地を避けて日吉の丘を突っ切るのか?
なぜ横浜線はまっすぐに線路を敷けたのか?
【第四章】ドン詰まりの線路には事情がある
なぜ大師線は小島新田まで延びているのか?
なぜ横浜こどもの国は独自の線路をもっていたのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
25
前著が東京区部をメインとしていたが、今回は水戸線や両毛線などの「首都圏」各線の「なぜ、このような路線が?」を解き明かした本である。新書版でありながら、「今昔マップ」の旧版地形図に高低差で色付けするなど、大幅に前著に比べて、小さな地図でもきっちりと情報が伝わるように加工しており、「いい仕事してますなあ」と感嘆する。鉄道路線は地形のみならず、地域名望家の要求。経済界、政界、軍事、ひいては外交関係に至るまで、多方面からの影響を受けており、その痕跡を現在に示している歴史の証人である事に感銘を受けた。お勧めである。2021/09/04
kei-zu
23
「東京編」を読んでおもしろかったので、首都圏版の本書も手に取る。北関東を除き、ぼんやりと土地勘はあるので楽しかったです。新京成線が陸軍による線路敷設のため蛇行しているとは聞いていましたが、それより敷設が早い野田線はまっすぐだよとの指摘には、なるほど。多摩の交錯する路線は、熾烈な鉄道会社間の競争による経緯があるなど、勉強になります。2023/07/25
ごいんきょ
18
この手の雑学は面白いんだよね2021/11/11
多喜夢
8
地元路線の新たな雑学がまた増えた。土地勘のないところはなかなか頭に入らなく飛ばし読み。でも鉄道の計画線、廃止線などこんなにもあるのかと驚くとともに、もし現存していたらどんなことになっていたのかと夢想するのも楽しい。2023/07/08
月猫夕霧/いのうえそう
7
東京編に引き続き読みました。今回は少しだけお屋敷語りが出ましたな(この作者、東京が絡む本を出すとメインが地形であろうと鉄道であろうとお屋敷の話を延々とする癖があるので……)今回は東京都区内と東京の近郊で、首都圏編というほど広い範囲ではありません(両毛と水戸があるから一応首都圏なのか?)。この手の本に共通しますが「なぜ〇〇なのか」というお題を立てながら問いには答えきれてないものが散見されるように思えます。まぁ鉄道史豆知識としては成立しているので、本としては成立しているのですが……2024/02/28