クラシックの深淵

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クラシックの深淵

  • 著者名:平林直哉
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2021/10発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787274410

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内容説明

音楽評論家にして名盤復刻レーベルの主宰者が名盤・奇盤を世界中からかき集め、レビューはもちろん演奏家たちのエピソードや業界の裏事情など、おもしろ/びっくりの話題をたっぷりと語る。

東欧で活躍する指揮者・小林研一郎の『第9』を聴きに訪れたチェコ・プラハで数々の音楽遺産に感動し、ドイツ・ベルリンで訪れた悲運の指揮者レオ・ボルヒャルトの広大な墓地をさまよう。評論家のクリストファ・N・野澤や濱田滋郎、日本コロムビアのプロデューサー川口義晴ら故人とのかけがえのない思い出を語り、同じ戦争を別の場所で経験した黒柳徹子とセルジュ・チェリビダッケに思いを馳せる。

どこまでも本物の音にこだわってデジタル技術の発達による過剰編集を喝破し、自身のレーベルでリリースしたCDの制作秘話や業界裏事情、TPP締結で受けた損害までを赤裸々に語る。

「そうなんだ!」のエピソードと「なるほど!」の造詣から繰り出す演奏評で読者をクラシックの深淵に誘う待望のガイド。

目次

No.1 驚愕! 半音低いシュヴァルツコップの『4つの最後の歌』(リヒャルト・シュトラウス)
No.2 プラハで聴く小林研一郎とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団
No.3 クリストファ・N・野澤をしのぶ
No.4 悪用されているデジタル技術
No.5 戦前のベルリンで活躍した指揮者、オスカー・フリート
No.6 テオドール・クルレンツィスを検証する
No.7 プロデューサー、川口義晴のこと
No.8 夭折の女性チェリスト、アニア・タウアー
No.9 美輪明宏とカルロス・クライバー
No.10 世界で最初にメトロノーム演奏をおこなった、アルバート・コーツ
No.11 黒柳徹子とチェリビダッケ
No.12 アーノンクールについて、懐かしさと戸惑いと
No.13 トスカニーニの記念の年に
No.14 フランス・ターラの主宰者ルネ・トレミヌ
No.15 ムラヴィンスキー研究の第一人者・天羽健三のこと
No.16 ジョージ・セル、好きではないけれど、やはりすごい
No.17 ブルメスターと「幻の長時間録音」
No.18 伝説のプロデューサー、ジョン・マックルーアとの関わり
No.19 世界最古のベートーヴェン『「田園」交響曲』を聴く
No.20 ボッセとベルグルンド
No.21 悲運の指揮者、レオ・ボルヒャルト
No.22 カレル・アンチェルの著作から
No.23 ムラヴィンスキーのチャイコフスキー『後期3大交響曲集』を再検証する
No.24 フルトヴェングラー・ドイツ帝国放送局1939-1945
No.25 追悼、スクロヴァチェフスキを中心に
No.26 ジョン・ハントのディスコグラフィー
No.27 映像によるクレンペラーのベートーヴェン『交響曲全集』
No.28 伝統の響き、フランツ・コンヴィチュニー
No.29 ホルストの『組曲「惑星」』、公開初演100年記念
No.30 ベートーヴェンの交響曲の反復記号について
No.31 録音黎明期のオーケストラ録音からみえてくるもの
No.32 お徳用盤は、結局のところお得ではない?
No.33 CD制作手記
No.34 安倍政権とTPP

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

90
音楽好きの人には、ディスクの情報にやたら詳しくて、どの演奏がいいとか悪いとかいう話ばかりする人が多くて困るが、著者は、自ら自主レーベルの復刻CDを制作されるくらい録音に関する強い思い入れを持っておられる方のようだ。往年の名演奏家や録音に関する数々の裏話が紹介され、これはこれで面白いが、それが決して「クラシックの深淵」ではあるまい。もともと録音嫌いの私は、演奏時間を調整するために編集で速度を変えたとか、1枚のCDで250か所もハサミを入れて編集したなどの話を読むと、ますますディスク嫌いになってしまいそう。2022/02/01

コチ吉

7
この人の著作を読む度に、往年の名指揮者達の録音を改めてじっくり聴きたくなる。本書は録音に纏わるエピソードや裏事情などが書かれていて、タイトルとはちょっとずれた内容だが、巨匠たちへのリスペクトは伝わる。はからずも先日読んだ本同様にカレル・アンチェルの凄さが書かれていて、早速聴き直している。後半のCD制作手記は退屈。2023/05/29

Wataru Hoshii

5
音楽評論家の平林さんの著書。最近は名盤復刻レーベルの仕事がメインらしい。本書の話題はほぼ全て録音(主に昔の名盤)のことに尽きる。面白いエピソードもあるし、日本のクラシックマニアの多くは録音マニアなのだろうけれど…今の私は、クラシック音楽の現場は結局コンサートホールであり、録音は二次的なものと考えているので、レコードマニア向けのおしゃべりは正直もういいかな、と思ってしまった。本書後半の1/3ぐらいは、自分のレーベルのカタログの宣伝。でもそれを読んで、何枚か欲しくなってしまったのはクラシックファンの業だな。2021/10/08

Teo

2
著者の解説には音楽評論家とあったが、私がチラチラ見る音楽評論家よりも録音と演奏の方に主足のある人に見える。最後は自分のレーベルを立ち上げているし。でも逆にそれが今迄あまり聞いた事の無いクラシックの話になるのでその辺はそこそこ興味深かった。著者とは同世代なのだが、どうも価値観がずれている。この人、CDとかありきなんですね。2021/12/10

Go Extreme

1
驚愕! 半音低いシュヴァルツコップの『4つの最後の歌』 プラハで聴く小林研一郎とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団 悪用されているデジタル技術 美輪明宏とカルロス・クライバー 黒柳徹子とチェリビダッケ トスカニーニの記念の年に 悲運の指揮者、レオ・ボルヒャルト ジョージ・セル、好きではないけれど、やはりすごい 世界最古のベートーヴェン『「田園」交響曲』を聴く 映像によるクレンペラーのベートーヴェン『交響曲全集』 ベートーヴェンの交響曲の反復記号について 録音黎明期のオーケストラ録音からみえてくるもの2022/01/24

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