内容説明
伝説的日本語ロックバンド”はっぴいえんど”のメンバーとして活動した後、日本を代表する作詞家となった松本隆50年の軌跡を追う評伝。太田裕美「木綿のハンカチーフ」、大瀧詠一「君は天然色」、松田聖子「赤いスイートピー」、寺尾聰「ルビーの指環」、KinKi Kids「硝子の少年」――。抒情性と物語性に富んだ歌詞で数々のメガヒット曲を生み出した松本隆。シングル曲よりアルバムのコンセプトを重視した作詞など新しい手法を用いたほか、シューベルトの楽曲や「古事記」をもとに作詞をおこなったこともあった。大瀧詠一、筒美京平、松田聖子らとの知られざるエピソードを含め、その挑戦の日々を松本隆本人へのインタビューと証言者たちの言葉から描き、不世出の作詞家の本質に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
105
元はっぴいえんどのメンバー松本隆。1969年に細野晴臣らとバンド結成後はっぴいえんどを経て作詞家として多くのヒット曲の作詞を手掛ける。その経緯と現在に至るまで関わった人や作詞がどのようにされていたのかを詳細に書いている。彼が作詞した主な歌手には太田裕美(木綿のハンカチーフが大好き)、松田聖子、大滝詠一、近藤真彦、薬師丸ひろ子、中森明菜、いずれもビッグスターである。彼がいなかったら当時のポップス界はどのようになっていただろうか。色を強く感じるのは言葉を操る彼のマジックだと思う。読み応え十分。図書館本2022/04/11
阿部義彦
26
田家秀樹さんの新刊をレビューして、『風街とデラシネ』の事にも触れたが、レビュー書き忘れてたので、本棚から探し出し新たに又読み直しました。はっぴいえんど時代前後のプロデュースでは、あがた森魚の『噫無情』南佳孝の『 摩天楼のヒロイン』この2枚は世界観も含めて衝撃的でした。そんな作りこんだ大作路線から、単品で勝負して、かつ大衆の心に残る、掌編小説の世界に来たのかな?と言う印象。松田聖子、矢沢永吉、薬師丸ひろ子、等普段自分が聴かない歌手の話が興味が尽きなかった。自分的ベストは竹内まりやの『五線紙』です。2024/04/16
白河清風
24
松本隆と付き合いの長い音楽評論家の田家秀樹が、「はっぴいえんど」からクミコの「デラシネ」に至るまでの50年に亘って松本隆が作ってきた詞を網羅的に扱って解説しています。網羅的といっても、当然2100以上の詞をすべて取り上げることはできないので、松本の過ごした50年を、いくつかの時期に区切り、その中で彼としての思い入れのある詞を中心に解説して、時代毎の詞の特徴を説明すると言う手法をとっています。穴ぼこだらけの私の松本隆に対する知識を埋めてもらったと思いました。天下の松本隆ももう72歳です。2022/04/08
くさてる
20
とくにこの名前を意識したことは無くとも、このひとの書いた歌は何十曲と歌える。50年という時代を第一線の作詞家として走り続けた稀有なひとの、稀有な言葉の物語。読んでいると、引用されているだけでない歌詞をたくさん読みたくなること請け合いです。2022/08/24
わいほす(noririn_papa)
9
作詞家として松本隆さんを意識したのはたぶん太田裕美さんの歌だろう。でも当時はシングルばかりでアルバム「心が風邪をひいた日」を聴いたのはずっと後のことだった。アルバムとしてはやはり大瀧詠一さんの「LONG VACATION」、そしてこの本では触れられなかったが安部恭弘さんの「MODERATE」だった。こうして俯瞰すると、風と硝子の街には数え切れないほどの物語が住んでいて、それを創り出した作詞家の歴史にも無数の物語があった。言葉のプロでありながらリズムのプロでもあり、ジャンルを超えた音楽に心地よく言葉が響く。2023/06/13
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