内容説明
水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの日常が記された手紙が届くという「水曜日郵便局」。主婦の直美は、職場や義父母との関係で抱えたストレスを日記に吐き出すだけの毎日を変えたいと、理想の自分になりきって手紙を出す。絵本作家になる夢を諦めて今後の人生に迷っていた洋輝も、婚約者のすすめで水曜日の手紙を書くことに。不思議な縁で交差した二人の手紙は、かかわる人々の未来を変えていく――。『夏美のホタル』『虹の岬の喫茶店』の著者が贈る、ほっこり泣ける癒やし系小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
252
水曜日の日常を知らない誰かに宛てて綴ると、代わりに別の誰かが書いた手紙が届く水曜日郵便局。実在してたんですね。自分も送ってみたいと思ったら、すでに閉局とのことでした。たかが手紙されど手紙。見知らぬ人の手紙とはいえ、手紙一通でこれからの人生のきっかけ、ヒントが貰えれば、それは素晴らしいことだよね。この先も自分の生きていく道は、ずっと山あり谷あり。一日を、今を、大切にすごしていきたいなと思う。森沢明夫作品で何度もレビューで書いてしまうが、うむ、やっぱり森沢明夫の小説は最高である。そして心が温まる。2021/11/25
みも
131
5章構成の内、3章が「光井健二郎の蛇足」終章の5章が「今井洋輝の遺書」というなんだかネガティブなタイトル。更に1章から読み進めていくと、妬み嫉みのオンパレードでズンズンと滅入っていく。よもやこれは森沢さんらしくないバッド・エンドなのか…と、些か懸念したのだが、やはりそれは杞憂でした。個人的には東日本大震災の爪痕を記し、そこから立ち上がろうとする松島湾の元漁師の父娘を描く3章が響いた。素朴で飾らない優しさに溢れた二人の関係性に心が和む。読了後、僕の心は初夏のそよ風に吹かれ、陽だまりでうたた寝するようでした。2025/04/28
ふじさん
120
水曜日の出来事を綴った手紙を送ると見知らぬ人からの水曜日に書かれた手紙が届くという水曜日郵便局が舞台にした心あたたまる奇跡の物語。主婦の直美は、冷めた家族との関係、働きがいの職場、義父母の関係等で抱えたストレスを解消し自分を取り戻すべく水曜日郵便局に手紙を出す。会社員の洋輝は、絵本作家になる夢を諦めて会社勤めをするが、今後の人生に迷い、婚約者のすすめもあり水曜日郵便局に手紙を出す。不思議な縁で交差した2人の手紙は、その後の2人の未来を変えていく。水曜日郵便局が実在することを知って驚いた。 2022/09/02
相田うえお
118
★★★★☆21112【水曜日の手紙 (森沢 明夫さん)】本作品、五章構成の心温まるいいお話でした。水曜日の出来事を手紙に書いて『水曜日郵便局』宛に送ると、後日、別の誰かの水曜日の出来事が書かれた手紙が自分宛に送られてくるというんですが、月火水木金土日のうち、どうして水曜日なの?多分、特別じゃない普段通りの何気ない日ということなのかもしれませんが、だからといって水曜日?火曜や木曜じゃ駄目?とても気になりました。が!森沢さんのあとがきを読んで納得!水曜日郵便局は実在してるらしいですね。びっくり!(おすすめ!)2021/11/11
湯湖
98
読後、ソッコーでググった。水曜日郵便局って、実在してたんですねぇ。水曜日の手紙には、後ろ向きなことを書くのは相応しくない気がして、序盤で毒を吐いていた直美に対して、「私の毒は直美どころじゃないぞ」と思ったひねくれ者の私には縁がなさそうな感じがした。健二郎の【采配】で直美と洋輝の手紙がお互いに届き、結果的にお互いの背中を押すかたちとなって大団円で幕を閉じたのだが、ひねくれ者の私にもいつの間にやら沁み入っていて、満足して本書を閉じた。2025/05/14
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