岩波科学ライブラリー<br> 音のイリュージョン - 知覚を生み出す脳の戦略

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岩波科学ライブラリー
音のイリュージョン - 知覚を生み出す脳の戦略

  • 著者名:柏野牧夫
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2021/03発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000295680

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内容説明

周波数の高い音が低く聞こえる.右にある音が左に聞こえる.同じ音の聞こえ方が変化する.存在しない音が聞こえる.そんな不思議な錯聴を体験できるウェブサイト〈イリュージョンフォーラム〉を知っていますか.聴きどころの紹介から,錯聴の背後にある脳内の音の処理メカニズムの解説まで,耳と脳にビンと響く一冊です.

目次

プロローグ┴1 存在しない音が聞こえる┴削除された音が復活/隠されたときだけ聞こえる/ミシガン湖畔の出来事/視覚のアナロジー/ありそうな方に賭ける/感覚間の違い/解釈としての知覚/連続聴効果の生理学的メカニズム┴2 声は壊れにくい┴「あいうえお」≠「あ」「い」「う」「え」「お」/逆転してもひっくり返らない/帯域を制限しても聞き取れる/声にモザイクをかける┴3 同じ音が違って聞こえる┴反復が変化を生み出す/ディジタルとアナログ/予測の生成と検証/知覚の形成と選択に関わる脳内ネットワーク/「聞く」と「話す」の密接な関係┴4 空間が伸び縮みする┴音の位置がずれて聞こえる/聴覚定位残効の神経メカニズム/効率的符号化/研究の新しさとは?┴5 時間が歪む┴タイミングがわからない/後付け的な知覚/時間にまつわる難題に折り合いをつける脳┴6 高い音が低く聞こえる┴音の高さ≠周波数/欠落した基本周波数が聞こえる/ピッチ知覚の原理/ピッチの脳内メカニズム/ピッチと音脈分凝/音階の錯覚/ピッチ知覚の個人差┴7 音を見る、光を聞く┴軽んじられる聴覚/視覚が聴覚を変える/聴覚が視覚を変える/信頼できる情報の方を信じる/感覚の相補性/感覚間の一貫性がリアリティの本質/視聴覚統合の鍵を握る同時性/同時性にまつわる難問/同時性の再較正/新しい「身体」への適応┴エピローグ┴参考文献┴本書で取り上げた《イリュージョンフォーラム》の錯覚一覧┴イラスト=飯箸薫

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

33
良く知られている錯視のほか、錯聴というのもある。本書と連動したインターネット・サイトで、それを実際に体験できるところがすばらしい。省資源にもなるし本の価格が上がらないところが非常によい。昔なら付録にCDをつけていたところだろう。ノイズが音の切れ間を埋め、しかも連続した音声に聞こえるのは驚異である。無限音階の音を実際に聴いても、自然に聞こえるし、トリックを知っても錯覚は残る。錯聴は、果たしてそれは耳がだまされていると考えるべきなのか、それとも音の世界を脳が生きるために都合よく聞き取っているというべきなのか。2015/03/28

calaf

6
錯視はそれなりに見かけるけど、錯聴!初めて聞いた。でも、全くその通りだった。。。凄すぎる...2010/11/10

cape

4
柏野先生の講演がおもしろかったので拝読。百聞は一見に如かず、錯視や錯聴を体験してから(しながら)読むとわかりやすい。脳ってかなりあいまい。というか、視覚・触覚・聴覚、いろんな感覚を総合して世界を知覚している、その柔軟性こそが脳の力というべきか。音のきこえ方にも相当個人差があるっていうのは意外ですね。2021/04/21

EnJoeToh

3
楽しい。2011/03/22

まーれ

2
「イリュージョンフォーラム」のwebサイトを見ながら読むとホント面白いです。2011/10/24

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