内容説明
周波数の高い音が低く聞こえる.右にある音が左に聞こえる.同じ音の聞こえ方が変化する.存在しない音が聞こえる.そんな不思議な錯聴を体験できるウェブサイト〈イリュージョンフォーラム〉を知っていますか.聴きどころの紹介から,錯聴の背後にある脳内の音の処理メカニズムの解説まで,耳と脳にビンと響く一冊です.
目次
プロローグ┴1 存在しない音が聞こえる┴削除された音が復活/隠されたときだけ聞こえる/ミシガン湖畔の出来事/視覚のアナロジー/ありそうな方に賭ける/感覚間の違い/解釈としての知覚/連続聴効果の生理学的メカニズム┴2 声は壊れにくい┴「あいうえお」≠「あ」「い」「う」「え」「お」/逆転してもひっくり返らない/帯域を制限しても聞き取れる/声にモザイクをかける┴3 同じ音が違って聞こえる┴反復が変化を生み出す/ディジタルとアナログ/予測の生成と検証/知覚の形成と選択に関わる脳内ネットワーク/「聞く」と「話す」の密接な関係┴4 空間が伸び縮みする┴音の位置がずれて聞こえる/聴覚定位残効の神経メカニズム/効率的符号化/研究の新しさとは?┴5 時間が歪む┴タイミングがわからない/後付け的な知覚/時間にまつわる難題に折り合いをつける脳┴6 高い音が低く聞こえる┴音の高さ≠周波数/欠落した基本周波数が聞こえる/ピッチ知覚の原理/ピッチの脳内メカニズム/ピッチと音脈分凝/音階の錯覚/ピッチ知覚の個人差┴7 音を見る、光を聞く┴軽んじられる聴覚/視覚が聴覚を変える/聴覚が視覚を変える/信頼できる情報の方を信じる/感覚の相補性/感覚間の一貫性がリアリティの本質/視聴覚統合の鍵を握る同時性/同時性にまつわる難問/同時性の再較正/新しい「身体」への適応┴エピローグ┴参考文献┴本書で取り上げた《イリュージョンフォーラム》の錯覚一覧┴イラスト=飯箸薫
感想・レビュー
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へくとぱすかる
calaf
cape
EnJoeToh
まーれ