内容説明
古代史最大のナゾである邪馬台国所在地はデータサイエンスの手法を使えば、北部九州で決着する。畿内ではありえない、その理由を古代鏡や鉄の矢じりなどの発掘地の統計学的分析を駆使しながら、誰にも分かりやすく解説。その所在地はズバリここだと示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
64
何と、「魏志倭人伝」につきものの、方向や里程の話がない。議論の中心は考古学。それも遺跡の記述ではなく、出土物の数量と統計。圧倒的に九州。中でも福岡県。畿内説のアキレス腱は、最大の根拠であったはずの「三角縁神獣鏡」そのものにあった。これが魏の鏡であるという、観察によるむかしの定説は、鉛の同位体比を使った銅産地の比定によって根拠を失ったようだ。ここまで理詰めで明快にされると、文献による議論はもはや不要にみえる。新聞などのニュースで、最近畿内説が大きくリードと思っていたのが、実は本当は……だったらしい。うーむ。2022/01/20
Book & Travel
36
邪馬台国論争そのものよりも、データサイエンスを考古学に用いる点に興味を惹かれ手に取った一冊。著者は計量国語学、数理文献学の分野から邪馬台国研究に入った方。冒頭で触れられる著者の若い頃の研究、文学作品の文体の統計的研究や、基礎語彙から日本語の起源に迫る研究が興味深い。邪馬台国については、鏡等の出土物を統計的に分析すれば北部九州にあったのが明らかとのこと。理論が明快で素人の私にも北部九州じゃないかと思える。権威主義的な考古学界への批判が繰り返され感情的にも感じるが、科学的思考をされる著者だけに納得性もあった。2022/11/08
キョートマン
20
これ読むと邪馬台国は九州しかありえないと思える。個人的には畿内にあってほしいから誰か論理的に反論してくれ。2022/01/26
Masakazu Fujino
19
歴史を学んだ人間として邪馬臺国の問題は大いに関心を持ちさまざま本も読んだが、安本美典さんの本も80年代頃読んだと思うが、なかなかついていけなかった記憶があった。今回読んだが、データサイエンスを考古学に活用すべきだという考え方には大いに刺激を受けた。また、記紀の神話に歴史の出来事が隠れているという考え方も賛同できるところが多いと思う。 最後の「おわりに」が良かった。いわく「父も夢みた。母も見た。旅路のはてのそのはての、青い山脈、みどりの谷へ」亡き父よ、母よ。あなたがたの夢が、こんな形で本になりました。2022/02/03
shigeki kishimura
10
これはもう邪馬台国は北部九州しかありえないって思えてしまう。いずれにせよ、判断する部分にもサイエンスを持ち込まないといけないっていう問題提起は理解できます。2022/01/06
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