内容説明
アナグマとなって森で眠り、アカシカとなって猟犬に追われ、カワウソとなって川にもぐり、キツネとなって都会のゴミを漁り、アマツバメとなって旅をする。動物の目から世界を生きた、感動的ドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
216
Viva変態。知りたい欲求に愚直で貪欲。イグノーベル賞受賞。でもね、お子さん巻き込むのは止めたげてー。但し、素晴らしい能力を発揮する模様。時に表現が生々しく気色悪い。悪寒🥶。ウェールズ特有の言い回しや冗談なのでしょうか、何について話しているのか分からなくもなりました。置いてけぼりからの迷子。日本語に翻訳するのではなく、日本語で書く必要があるのぅ。ヒトの特異な点は二足歩行かな。それで五感、特に鼻が地面から離れる事で、嗅覚を頼りにするシチュエーションが減ってしまった様だ。鍛えればもっと使えそうだよ。2022/08/15
ロア
19
隠喩溢れる哲学的動物体験記。2016年イグ・ノーベル生物学賞受賞。色々とすごい。そして、イギリスだなぁ!2021/12/13
koke
13
人間と動物の関係については多くの人が書いてきた。哲学者、人類学者、小説家等々。人間と動物は理解しあえるとする人もいるし、両者の間には深淵が横たわっているとする人もいる。著者はその点ユニークで、動物生理学の広く深い知識に基づき、単なるまねごとを超えて、動物の感覚を自分の心身に再現しようとする。しかし動物の真実に肉薄するからこそ、人間と動物を隔てる深淵をまともに覗きこみ、あわてて引き返すことになる。皮肉っぽいジョークでバツの悪さと孤独を紛らわしながら。2022/05/30
yamakujira
11
アナグマになって巣穴で眠り、カワウソになって川に潜り、キツネになってゴミ箱をあさり、アカシカになって猟犬に追われ、アマツバメになってアフリカに渡る。野生動物の視点を得ようとする試みは興味深いけれど、比喩表現を重ねる文章はとにかく読みにくい。ミミズを食べてみたとか、残飯をあさったとか、断片的な話はあっても、肝心の経験談が描写不足だから物足りないし、そもそも終日扮したのはアナグマだけみたいだね。着眼点はおもしろいのに、哲学的思考と文学的表現が読者を選別するようだ。見事にふるい落とされたなぁ。 (★★☆☆☆)2022/01/06
遥
10
チャールズ・フォスターさん著の「動物になって生きてみた」を読み終えました。動物の生活を真似する試みを研究として行い、それでイグノーベル賞を受賞しました。ですが、本書の内容は、むしろ詩的で研究内容とは関係のない内省の過程が綴られます。逆にその詩性がイグノーベル賞につながったのかもしれません。人間は他の動物と同じ自然の一部なのでしょうか。この哲学に挑む著者は、都市市民には真似などできようもない生活を過ごしますが、それでもなお、動物たちのことを本当に知りえないという壁に何度もぶつかっているのは興味深く、見所です2023/02/09