ちくまプリマー新書<br> はじめての精神医学

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ちくまプリマー新書
はじめての精神医学

  • 著者名:村井俊哉【著者】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2021/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684110

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内容説明

うつ病、統合失調症、認知症、パーソナリティ障害……さまざまな精神疾患の具体的な症状や治療法を解説。さらには「精神医学とは何なのか」「精神医学に何ができるのか」までを問いなおす。

目次

はじめに
「精神科」を受診するとき
本書の目的
第1部 今の精神医学はどうなっているのか
第1章 こころの病気はひとつではない
ストレスと体質
こころの病気はひとつではない
分類しすぎるのもよくない
精神科の病気の分類表
第2章 自閉スペクトラム症、知的能力障害、注意欠如・多動症
「発達障害」という言葉にご用心
自閉スペクトラム症
知的能力障害は一〇〇人に一人か二人
注意欠如・多動症(ADHD)
「自分はうまくできる」の大切さ
「ADHDを生み出しやすい社会」
その他の病気
第3章 統合失調症、双極性障害、うつ病
統合失調症の原因は不明
ほとんどの場面で「普通の人」
双極性障害、でも「普通の時期」が一番長い
うつ病は治療すべきか?
第4章 不安症、強迫症
「神経症」という言葉
社交不安症
広場恐怖・パニック症
強迫症──何度確認しても不安
その他──限局性恐怖症とためこみ症
第5章 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、適応障害、解離性健忘、身体症状症
かなり多い心的外傷後ストレス障害(PTSD)
メンタルの鍛え方
「適応障害」は病気か?
「派手な症状」の解離性健忘
身体症状症は「こじれやすい」
第6章 摂食障害、不眠症、性別違和
「やせ型」をあおる社会
直接死因になる病気
人間に必要な睡眠時間は?
性別の三つの意味
第7章 依存症
「中毒」と「依存」の違い
文化の影響が大きいアルコール依存症
たばこ、カフェイン、砂糖
大麻合法化のメリット、デメリット
睡眠薬
ギャンブル依存、ゲーム依存はどれほど危険か?
第8章 認知症
認知症にはいろいろある
「認知予備能」という貯金
第9章 パーソナリティ障害、素行症
病気とされる「性格」
境界性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害、素行症
第2部 精神医学とはそもそも何なのか
第10章 精神医学とは対人援助である
「そもそも」の疑問
自分の仕事について、それが何かを考える、ということ
精神医学とは対人援助である
第11章 精神医学の守備範囲「外」
「こころの病気ではないもの」から探る
わかっているのにできない
他の人から見て普通ではない
自分はどう生きるかという悩み
もっと成長したい
あきらめること、受け入れることもある
第12章 精神医学の守備範囲を考える
自殺
不登校とひきこもり
第13章 病気と医療の関係
病気とは何か?
医療とは何か?
病気が医療を発展させ、医療が病気の範囲を決めていく
持ちつ持たれつの関係
第14章 精神医学はどこを目指すべきか
精神医学を広げる方向の力、狭める方向の力
小さな精神医学と大きな精神医学
精神医学という「パイ」の切り分け
そもそも精神医学とは何か──まとめとして
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

molysk

62
こころの病気とはどういうものか。精神医学は、精神の不調をひとまとめとせず、複数の病気に分類して、それぞれの病気に応じた治療に取り組む。本書の前半は、統合失調症、うつ病、適応障害、PTSDといった代表的な病気を紹介する。本書の後半は、精神医学とはそもそも何なのかを問う。精神医学とは、対人援助にかかわる専門分野の一つである。これが筆者の意見だ。人を助けることは、日常的な気づかいや、福祉だけではない。心に不調を感じる人に、専門知識を持つ精神科医だからできる援助。一見、漠然とした定義だが、的を射た意見とも感じた。2022/01/29

ぱるる

26
 若い人向けに書かれた本だけど、年を重ねた者にも精神医学の概要がよく分かり、とても参考になる良い本だ。  病気に対する偏見のせいでなんとなく怖く厄介な病気という印象があるが、多くの人が正しく理解して、当事者が生きやすい社会になると良いと思う。2021/12/30

とも

14
本書は精神医学という専門分野の全体像を伝えることを目的としている。DSM-5について概要を学べると同時に精神科医が患者や疾患にどう向き合おうとしているのか知ることができ、とても参考になる。精神医学がどうあるかは社会がどうあるべきかということに深く関係している。個人としての問題だけでなく属する社会や共同体のあり方で変わること、できることがある。そうした目線は絶えず持っておきたい。人のこころは目で見えないから相互に誤解や偏見が生まれてしまうこともある。正しく理解をするための知る作業はこれからも必要だと感じた。2022/04/10

かんがく

11
精神疾患と精神医学に関する入門書。一章では一括りにされがちな様々な心の病を分類し、二章では精神医学の社会的な役割を分析する。「境界」という概念が一つの鍵になるなという感想。2023/08/01

11
語り口の優しい、精神医学のいわば「パンフレット」といえる。ちくまプリマー新書はこの手の本を書かせると本当に一級だと感じる。本書は細かな治療や対応ではなく、現時点での精神医学に関わる疾患(うつとか統合失調症とか発達障がい等)の概要を極めて平易に記している。病んでから調べる本ではなく、心に病を感じる場面があった際にふと思い出す為の「一般教養」といえる内容だろう。本書が浸透し、心の病に対する世間のハードルがより下がり一般化されることを心から祈る。2022/08/20

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