内容説明
不気味に魅了する妖怪たちの正体! 希代の妖怪案内書――妖怪とは何か? いかにその名と姿を与えられ、今に伝えられてきたのか? 姑獲鳥、魍魎、火車、絡新婦、ひょうすべ……京極夏彦の「妖怪シリーズ」に登場する妖しきものどもを網羅、解読し、学問的に位置づけた驚異のガイドブック。妖怪世界の奥深い魅力へと誘う、初心者から研究者まで必読の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
89
取り上げられた妖怪は主に鳥山石燕の『画図百鬼夜行』や「今昔画図続百鬼」などから取られている。社会的弱者から妖怪が生まれたという当時の世相、士農工商が蔓延っていた根強い身分制度の残滓が見られたのが印象に残った。京極氏の手による妖怪図が全ての妖怪に付されており、それらが本家の鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に勝るとも劣らない出来映えで、雰囲気を盛り上げることに大いに貢献している。小説を書けばその内容の精緻さに唸り、そして驚愕させられ、そして絵を描けば何度見するほどの模写ぶりを発揮する京極氏の多彩さを思い知らされた。2025/03/09
カムイ
41
百鬼夜行シリーズの妖怪解説本!日本の妖怪は殆ど中国からの起源を発しているらしい姑獲鳥もその一つただ日本に輸入されてから変化したりその土地の風土により変様したらしい。2021/05/03
イトノコ
25
京極夏彦さんの「百鬼夜行」シリーズおよびその関連作品に登場する妖怪を、妖怪研究家の著者が解説。/ずっと読みたかったのが、いつの間にか電子書籍化されていることを知り早速購入。二重、三重、いやそれ以上の意味が込められた石燕の妖怪画。さまざまな古典や漢籍からも題材が採られているとのことで、石燕の、そして著者の知識量には驚くばかり。百鬼夜行シリーズで解説されていた妖怪もあったが、外伝作品の妖怪の解説は新鮮だった。是非とも第二弾の出版を!しかし著者は多々良センセイのモデルらしいが、予想外に理知的論理的な文章だった。2022/09/06
春風
17
百鬼夜行シリーズ『姑獲鳥の夏』〜『陰摩羅鬼の瑕』間の作品の扉絵等で登場する、鳥山石燕の妖怪画の絵解き本。本文は多田克己。妖怪名揮毫、挿絵が京極夏彦。江戸時代の狩野派の画家・鳥山石燕は妖怪を描く時、その性質を文字に込め絵に込め、諷刺を行った。江戸時代ならば容易に意味を解せたであろうその洒落を、読み解こうという試みたのが本書である。百器徒然袋所収の石燕創作妖怪などは特に、幾重も多層的に洒落がかかっており面白い。妖怪なので下世話なものもあるが。願わくは陰摩羅鬼以降の絵解き本の公刊を。2020/07/31
END
6
妖怪を日本・中国の神話や伝承、時にはその時代の風俗などから解説されている。駄洒落が語源になっているものや、現在でも使われている言葉に繋がるものなどもあり、読んでいて「そうだったのか」と度々思った。『百鬼夜行シリーズ』はずっと読んでいたのだが、そこで描かれていた妖怪図が京極夏彦のものだったって事を初めて知った。2022/05/26
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