講談社文芸文庫<br> 対談 文学の戦後

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講談社文芸文庫
対談 文学の戦後

  • ISBN:9784062900638

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内容説明

「戦後文学」をどう評価するか? 敗戦後34年を経て、詩誌「荒地」時代からの友人である典型的な戦中派の二人が、社会と文学の動向を縦横に論じ、戦後文学史に新たな視座を提示した、衝撃の対談集――詩誌「荒地」に拠って、戦後現代詩を主導してきた鮎川信夫。詩人として、また文学と思想の新たな理論を展開し、現代をリードしてきた吉本隆明。戦中派の巨人ふたりが、敗戦の衝撃から、身を以て戦後文学史を生きてきた34年を振り返り、社会と文学の動向を鋭く問う。第一次戦後派の限界、江藤淳批判、ソルジェニツィン『収容所群島』の現代史的問題、現代文学の変質など、白熱の議論を交わした対談集。「戦後文学」との別離を告げた記念碑的作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無識者

10
私のコンプレックスとして「時代についていけないが、それと同時に過去に遡って知識を蓄えることもできない」というのがある。だけれどもそれでいいのだということがこの対談の中で感じた。自分にはその時代のひとっちの固執するところがよくわからない。敗戦・終戦をどうとらえるかとか、(現在ではもう権威が失態している中で)日共がどうであるとか…。その時代に生きていない人にとっては難しい気がする。2016/11/19

わんにゃん

3
「そもそも降伏という観念もないのに、無条件降伏という観念があるはずがない。だから、本当はポツダム宣言受諾による条件降伏だ、って江藤さんがいったって、日本人自身に条件降伏なんて観念はありゃしない。だから、そういうことさえ知らないで敗戦を解放と幻想したのはとんでもない間抜けで、そいつらの文学は全部徒花だったといったとしても、日本人にはそういう観念がないのがあたりまえだった。」引用は前半だけど後半が興味深かったな。知らない感覚で。2022/02/21

v&b

0
作名のみあとでメモ。おそらく読みやすいと思う。日本のではないが、『収容所群島』がピックアップされている。対比として『死の棘』、案外酷評されていて苦笑も、巻末に鮎川信夫が挙げている。2017/11/27

mizu

0
江藤淳批判の部分などは特に興味深く読みました。戦後文学を通し、日本にとっての戦後とはなんだったのか、また戦後とは今とどう続くものなのかを考える良いきっかけを与えてくれるように思います。解説で高橋源一郎さんが述べているように若者(私も若者ですが)にこそ必要な一冊であるように感じました。2015/04/01

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