内容説明
ユングと親交の深かった物理学者、ヴォルフガング・パウリ。ノーベル賞を受賞した賢人として知られる一方で、内面的には深刻な問題を抱えていた人物でもある。そんな危機を、ユングとユング派治療者の関わりによってパウリは乗り越えていくのだが、そこで大きな役割を果たしたのが、彼自身が見た夢やヴィジョンだった。本書は、ユングがパウリの夢について詳細に検討した、伝説的なセミナーの記録である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
パウリの夢に出てくる円に注目した著者は、ウロボロス的形態に始まるそのパターンをマンダラの原始的形態と捉え、永久機関の夢や有名な「宇宙時計」の夢に元型の展開を見る(パウリ自身もそれら元型を量子論的な相補性を関連づける)。また、時折登場する4人の人物が4つの機能を分析心理学の4機能によって解釈し、パウリの4つの量子数の発見には経験データではなく、非経験的・非因果的な元型イメージが先行していることを指摘した。本書は、1930年代にパウリとの対話によって集めた81の夢素材をベースとした11講のセミナー記録である。2021/08/14
ouosou
1
第10章の図と注に誤りがあるのではと思う。2022/06/23