女という快楽 新装版

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¥2,640
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女という快楽 新装版

  • 著者名:上野千鶴子
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 勁草書房(2021/10発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326653171

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内容説明

女たちが望んでいるのは、がんばらずに仕事も家庭も子どもも手に入れられるというごく当り前のこと。どうしたらそうできるか、どこに問題があるのか。1980年代からの著者の思想形成をあとづけ、新しいステージを展開する。〈女と男の関係の解放〉を説きつづけ、時代の稀有な転換点をスリリングな発見と共に生きたフェミニストのすべて。

目次

新装版へのまえがき
はじめに

I

1 対幻想論
 1 対幻想の衝撃
 2 政治と性のあいだ
 3 自己幻想・共同幻想・対幻想
 4 ホモ志向とヘテロ志向
 5 アイデンティティ・ゲームとしての恋愛
 6 対幻想の排他性
 7 第二人称の性
 8 ホモセクシュアルとヘテロセクシュアル
 9 「対の思想」へ

2 〈外の性〉──性の自由とその帰結
 1 愛のあとの「荒野」で
 2 中上健次と「ケモノ」願望
 3 性を通じての救済
 4 富岡多恵子と「動物」願望
 5 性のトポス──その非対称性
 6 「性の自由」とは何か

3 性の病理学──変態からセリバシーまで
 1 性の異常とその定義
 2 変態としての性欲
 3 変態の常態化
 4 性革命の帰結
 5 快楽という原理
 6 セリバシーとモノガミーの復権

II

4 主婦論争を解読する
 1 主婦論争の課題
 2 主婦論争の見取図
 3 女性解放の戦略
 4 短期的な戦略と長期的な戦略

5 「主婦になる自由」の罠
 1 「選択の自由」再論
 2 「選択の自由」をめぐる合意形成
 3 「選択の自由」説の背景
 4 「選択の自由」説批判
 5 女の公化と男の私化
 6 公と私のバランスをめぐって
 7 選民化と私民化
 8 往くも地獄、還るも地獄……の中で

6 個の解放と種の解放
 1 恍惚と呪詛のあいだで
 2 個体性の思想
 3 再生産からの疎外
 4 種と個の葛藤

7 産む性・産まない性
 1 母になるオブセッション
 2 母という名の地位
 3 母性崇拝の落とし穴
 4 育児というシャドウ・ワーク
 5 産む選択・産まない選択
 6 「選択の時代」の幸と不幸

8 日本型フェミニズムの可能性
 1 フェミニズムは輸出できるか?
 2 近代個人主義フェミニズムとしての恋愛結婚イデオロギー
 3 共同体主義フェミニズムとしての母性イデオロギー
 4 日本型フェミニズムとアメリカ型フェミニズム
 5 性差極大化論と極小化論
 6 フェミニズム戦略のちがい――文化の可能性と限界のなかで
 7 日米の「はざま」で

III

9 近代家族の解体と再編──核家族の孤立をどう脱け出すか
 1 はじめに
 2 近代化と女性の分断支配
 3 同性集団とドムス
 4 非常識な家族
 5 おわりに

10 家族の空想社会科学
 1 SF作家の想像力
 2 両性具有のユートピア
 3 異性「愛」の神話
 4 フェミニストSFの可能性

11 国家という分配ゲーム──家族と国家のゆくえ
 1 国家・共同体・家族
 2 夜警国家と福祉国家
 3 家族の解体
 4 分配ゲームからの女の疎外
 5 子どもという資源
 6 分配ゲームの分散化へ

12 家族の中の企業社会
 1 企業幕藩体制・日本
 2 企業城下町の妻たち
 3 社宅ゲットーの企業管理
 4 二世社員の再生産
 5 再生産様式の再生産
 6 家庭解放区説の誤り
 7 受益者の論理
 8 自立の条件

IV

13 おんな並みでどこが悪い
 1 解放イメージの混迷
 2 「仕事か家庭か」
 3 「仕事か子どもか」
 4 「仕事も家庭も」パートI
 5 「仕事も家庭も」パートII
 6 「女の努力」から「男の変化」へ

14 女のかしこさ
 1 「女のかしこさ」って何だろう
 2 男のかしこさと女のかしこさにちがいはあるだろうか?
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

CBF

1
(★★☆☆☆) 1980年代、変化の激しいおもしろい時代を、おんなの肉体と感性をもって生きた著者の代表作ー。 内容以前に、文章が難解すぎて正直半分くらいしか理解できなかった...。ただ、1979年〜85年の間の著者の論稿を纏めた本とのことで、主婦論争とか社宅妻とかいう話が出て来るのを見ると、40年前に比べると今はだいぶ時代が変わって進歩した点もあるんだなぁ、と実感できた。 『「働く」ことには強制と自由意志がふたつながら含まれている。生きがいと疎外が同時に含まれている。片方だけを選びとるのは難しい。』2021/03/10

高円寺

0
Ⅲ部、15章からなる。初版は1986年。新装版まえがきによると、第Ⅰ部では「異性愛における・女の・セクシュアリティ」について探求されており、第Ⅱ部は「主婦研究」から派生したテーマについての諸論文であろ、第Ⅲ部では「家族、企業、国家をめぐる思考実験」が論じられている。個人的には第1章「対幻想論」と第2章「〈外〉の性」が面白かった。2015/01/19

玉子

0
初版は86年。新装版。06年に書かれたまえがきつき。その弁解が更に歴史を感じさせる。だって本文に「状況感覚が乏しいので女は運転がヘタ(なんだろう)」とあるんだよ。留保をつけた上で。ああ時代。2011/11/12

0
読み終わると、内容とタイトルの食い違いの妙にドキッとした。2010/04/15

metropolitan613

0
勁草書房1986年『女という快楽』では「私は、性に対するヘテロ指向性を重視する。そしてこの見地すらホモセクシュアルを『差別』する。なぜならホモセクシュアルは、繁栄に結び付かないぎかりで異質なものとの交配という種が敷いた自然を心理的に裏切る試みだからである」と述べていました。それを無かったことにするでしょか。オリンピック開会式関連で、過去の言動等により排除されたアーチスト達がいまいした。同じように上野さんもアウトでは?フェミ界隈は身内に甘いとか二重基準が酷いとの意見をききますが、あながち嘘ではないのですね。

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