内容説明
人文社会科学、臨床科学などのさまざまな領域で注目を集めるナラティヴ・アプローチ。それは、われわれの生きる現実が、「物語」という形式によって構成され、「語り」という行為によって変容することに着目する。この理論と方法を明らかにするとともに、具体的場面における応用を探求する。
目次
序 章 ナラティヴの臨床社会学
1 臨床社会学
2 ナラティヴ・アプローチ
3 社会構成主義とナラティヴ・アプローチ
4 本書の構成
第I部
第一章 臨床のナラティヴ
1 医療化
2 病いの意味と語り
3 ナラティヴ・セラピー
4 三つの社会的構成
5 二つの物語
第二章 社会構成主義という視点――バーガー&ルックマン再考
1 はじめに
2 社会構成主義
3 ナラティヴ・セラピーとの比較
4 臨床的現実の再構成
5 おわりに
第三章 臨床的現実と社会的現実
1 はじめに
2 ナラティヴ・セラピー
3 ナラティヴ・セラピーが構成する現実
4 相対主義的現実
5 社会構成主義的現実のゆくえ
第II部
第四章 サイコセラピーの臨床社会学
1 サイコセラピーとは
2 現実の心理学化
3 セラピー的文化
4 親密性の変容
5 セラピーの変貌──ナラティヴ・セラピー
6 臨床社会学のまなざし
第五章 集団療法の臨床社会学
1 はじめに
2 臨床現場でのとまどい
3 集団療法の効果
4 集団療法のミクロ社会学
5 物語論的転回
6 臨床社会学の可能性
第六章 ソーシャルワークの臨床社会学
1 はじめに
2 臨床実践モデルの変遷
3 ナラティヴ・モデル
4 臨床実践と福祉政策の変貌
5 おわりに
第七章 援助実践の臨床社会学――その課題と可能性
1 「援助実践」の分析枠組
2 専門職論
3 専門化と無能力化
4 専門性の変容──ナラティヴ・アプローチ
5 「近代」と「脱近代」のはざまで
第III部
第八章 被害と克服へのナラティヴ・アプローチ
1 被害の心理学化
2 内在化と外在化
3 ナラティヴ・コミュニティ
4 被害と克服の新しい語法へ
第九章 臨床研究におけるナラティヴ・アプローチ
1 ナラティヴ・アプローチとは何か
2 ナラティヴ・アプローチの実際
3 「困難」を越えて
第十章 個人化する社会とナラティヴ・アプローチ
1 ナラティヴの時代
2 個人化の時代
3 個人化とナラティヴ・アプローチ
4 ナラティヴとスピリチュアリティ
5 ナラティヴ・ソサエティ
あとがき
引用文献
初出一覧
感想・レビュー
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袖崎いたる
富士さん
nranjen
まつゆう
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