内容説明
疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し――。自ら謀殺した諏訪頼重の娘・由布姫を武田信玄の側室とし、子供を生ませることによって諏訪一族との宥和を計る独眼の軍師・山本勘助。信玄の子を生みながらも、なお一族の敵として信玄の命をねらう由布姫。輝くばかりに気高い姫への思慕の念を胸にして川中島の激戦に散りゆく勘助の眼前に、風林火山の旗はなびき、上杉謙信との決戦の時が迫る……。ロマンあふれる華麗な戦国絵巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
417
タイトルから主人公は当然、武田信玄だと思っていたが、そうではなく山本勘助であった。このことが、まずこの小説を特異なものにし、しかも大いに成功に寄与している。また、由布姫の存在もけっして小説の夾雑物とはならず、勘助と信玄の造型に側面から巧みに光をあてる効果をもたらしているだろう。構成の上からも徹底して勘助を主軸にして信玄を眺め、他方の謙信をあくまで対象としてしか描かなかったことは小説に強固な臨場感を与え、リアリティをもたらしているだろう。終幕の川中島の合戦場面はまさに圧巻である。2023/06/03
yoshida
163
数年前に放送された大河ドラマ「風林火山」の原作。最近は「真田丸」を観ていて、「風林火山」が懐かしく手に取りました。武田家の軍師である山本勘助と、主君である武田晴信、晴信の側室の由布姫を中心とした展開。勘助と由布姫の強い武田勝頼への想い。想いは成就するが勝頼の代で武田家が滅びるのが悲しい。勘助の軍略と武田家の精強さで着実に信濃が平定される。勘助、由布姫、晴信のそれぞれの想いが中心となり物語は展開するので、勘助の軍略ももっと読みたい感もあった。最後は策を見破られた川中島合戦。軍師山本勘助の最期は圧巻です。2016/02/26
遥かなる想い
159
武田信玄の軍師として名高い山本勘助の話だが、信玄の側室の由布姫への 想いは創作だろうか。やや暗くなりがちな物語りに切なさを加えてはいるが。 2010/08/13
かみぶくろ
118
時代小説を読むと、どうしても司馬遼太郎の時代小説と比較してしまうのだけど、この作品は映画のようだな、と感じた。登場人物それぞれが確固とした「キャラ」を持ち、役者が演じるように自身の役割を認識して、喜怒哀楽を表現していく。見せ場のシーンもしっかりと用意されており、要するに劇的な物語感が強いんだろうと思う。もう完全に好みの問題なんだけど、自分は怜悧冷徹に人物や時代を裁断し、石橋を叩くような論理性で話を進めていく司馬文学の方が好きだなあと、改めて思った。2018/02/12
Willie the Wildcat
100
信頼に応える義。勘助の心情描写に垣間見る動静の愛情。「動」である由布姫との”心理戦”が印象的。象徴が「出家騒動」。心理的な主従関係が逆転したかのような転機。但し、時に言葉に踊らされるのも、阿吽の呼吸ではなかろうか。由布姫との親子のような心の交流が温かい。一方、「静」である板垣との主従関係。大局を見据え勘助を擁護する師への思いは、勘助の最期にも”形”となり再現。川中島の緒戦における最期が継ぐ思い。風林火山を体現した半生と解釈すべきかもしれない。2016/02/16
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