内容説明
女子大生ガールズバンドでメインボーカルを担当する叶多は、SNSへの積極的な投稿で着実にファンを増やしていた。ある日、ネットニュースに叶多の過去についての暴露記事が流される。裏アカで公開した写真が元ネタだと知った叶多は、犯人がバンドメンバー内にいると確信、犯人捜しを始めようとするが、立て続けにメンバーが殺されてしまう。SNSの光と闇が、連続殺人事件の恐るべき真相とともにあぶりだされていく……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
SNSへの積極的な投稿で着実にファンを増やす女子大生ガールズバンドでメインボーカル担当の叶多。ある日、ネットニュースに叶多の過去についての暴露記事が流されるSNSミステリ。SNSに新曲PVを配信しても音楽性には反応が乏しい現実。希望が見えるたびに叶多の過去が暴かれ頓挫する中、立て続けに殺されてしまうメンバーたち。犯人の告白を挿入しつつ、伏線も絡めながら焦燥を募らせてゆく展開で、誰でも手にできる可能性と過酷な現実を突きつけられましたが、そんな時代だからこそ彼女にもたらされた光明がなかなか印象的な物語でした。2021/11/07
名言紹介屋ぼんぷ
15
この本を読むキッカケになる名言『スマホのない青春を送った人たちこそ総じて不幸だ。 こんなにも便利で楽しくて夢のあるものはないのに。 これ一台で私たちは モデルにもミュージシャンにも女優にも映画監督にもなれる』#読了2023/11/15
うた
7
SNSでの投稿で人気を増やし続けるガールズバンドのボーカル・叶多。ある日、叶多の過去にまつわる記事がネットニュースに流れたことから殺人事件に巻き込まれていく―。InstagramのようなSNSへの投稿でバンドが人気になっていくという現代っぽさが出ている作品。現代は確かスマホ1つでモデルにも女優にもミュージシャンにもなれますね。デビュー作とは思えないほどどんでん返しが組み込まれていたり、ちゃんとミステリーしていて面白かったです。どろどろした部分も多く気が重くなりましたが、最後には希望が見えて良かった。2024/04/20
こまねこ
7
ポップな表紙からは想像できないドロドロと、そうきたか、がが詰まってた。読みやすい文ではないけど読みたくなる内容。核心めいた文がたまに来る感じ。「フォロワーが減るたび、私は皮膚を裂かれるような痛みを感じていた」「どういう訳か、人を疑うことは、他のどんなことよりもかんたんなのです。人を信じることは、何よりも難しいというのに」「ひとつの体に、2つの人格。世界にはいつもどちらも共存しているわけです」「人を信じるっていうのは、本当に強い人にしかできないんだよ」30年後、50歳を過ぎてから、またバンドができたらいい。2021/11/27
うさっぴ
6
さらさらと読み終わった。叶多がかわいそうになった。2021/11/17