内容説明
宇宙への輸送を民間企業が担うようになった近未来――新人宇宙飛行士の羽山美紀は、難関で知られるスペース・スペシャリスト資格を持ちながらも、なかなかフライトの機会に恵まれずにいた。そんなとき、年齢経験性別不問という求人を出していたアメリカの零細航空宇宙会社スペース・プランニングに採用されることに。一癖ある個性豊かな仲間たちに迎え入れられ、美紀は静止軌道上の放送衛星スターバードの点検ミッションに挑む準備を進める。だが、彼女は誰にも言えない秘密を抱えていて……。著者の真骨頂たる傑作航空宇宙SFシリーズ開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
37
近未来モンで民間宇宙開発業界物っていうこれがソノラマから出てたのが90年代で、って考えると色々と感慨深い1冊。続編を執筆中とのことで期待しちゃうよ?でも払い下げって良いよねぇ😃2021/11/11
Yuri
17
先に2作目を読んでしまっているので、エピソード0のつもりで。 おかげで素性の怪しいパイロットの筈の美紀も、まだ初々しいなぁという印象。お馴染みのメンバーも活躍して楽しい。続けて3作目!2022/10/18
まいさん
9
宇宙への輸送を民間企業が請け負う近未来。新人宇宙飛行士の羽山美紀は、零細航空宇宙会社スペース・プランニング社に採用され、静止衛星軌道上の放送衛星の点検ミッションに挑む。美紀が宇宙に上がるまでの描写が多く、宇宙に上がってからは比較的あっさり。著者が20年以上前の執筆当時に考えていた時代設定はちょうど今頃らしい。2023/03/09
あーてぃる
9
既刊2種所持、新規描き下ろしのあとがきのためだけに購入。でもついつい読んじゃうんだよね、本編。Ан-225無理やじゃないМріяの背中に乗っけた軌道ブースター、B-58ハスラーの腹に抱えた(X-20から進化した)ダイナソア。 これ、宇宙飛行士に「アストロノーティカ」ってルビがふってあるんだよ。 今ネットで検索をかけてもアストロノーティカに宇宙飛行士という訳はない。でもね、私もそう覚えてたんだ。男の宇宙飛行士はアストロノーツ、女はアストロノーティカって。どこで刷り込まれたんだろうなぁ。2021/11/09
みやしん
7
元ソノラマ版・新書版共に読了。序盤の乗機はYF17だったような?平成を越えて令和でひとまずの答え合わせ。カネは無くても腕はあるプロフェッショナル達のリアリティーを追及した作業の集合体だから、作者の宇宙愛がそうさせるのか事態は淡々と進む。曰く精々うっすらキャラ立ちをしているぐらいで娯楽性は極力削がれているドキュメンタリードラマみたい。逆に(悪く)言えば宇宙往還シークエンスに興味がなかったらちっとも楽しくない、読者を選ぶ作品。2022/02/01