ちくまプリマー新書<br> 学校の役割ってなんだろう

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ちくまプリマー新書
学校の役割ってなんだろう

  • 著者名:中澤渉【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2021/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684080

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内容説明

忙しすぎる教員、求められることが多い学校、役に立つ教育の要望。学校はいろいろな困難に直面している。その背景には、学校組織の特徴や社会との絡み合いがあるはずだ。学校は何のためにあるのかを問いなおす一冊。

目次

はじめに
第一章 忙しすぎる教員と役割が多すぎる学校
パンデミックと学校の閉鎖
教員はどんな仕事をしているのか
教員の超勤四項目
教員の労働時間
教員の休職
バーンアウト(燃え尽き症候群)
職員室の光景
教員の時間外労働と報酬
教員免許の取得と採用試験
教員免許の開放制
教職課程コアカリキュラムと課程認定の厳格化
教員免許更新制
どんな人が教員になろうとするのか
学校とは何か
一条校に含まれない「学校」
学校の組織的特徴
第二章 学校はいかにして制度となったのか
近代化と学校制度
コメニウスと一斉授業というアイディア
相互教授法
産業革命における工場とモニトリアル・システムの類似性
一斉教授法と国家の結合
経験知からの隔絶
産業化と効率性や合理性の追求
官僚制組織の形成
業績主義化と教育
官僚制組織の運営
心情(信条)倫理と責任倫理
官僚制組織と学校との関係
第三章 学校組織は矛盾がつきもの
官僚制の逆機能
一望監視システム(パノプティコン)
パノプティコン原理と全制的施設
学校に見られる官僚制組織としての特徴
パフォーマンスを上げる官僚制組織
ストリート・レベルの官僚制
学校と理念型的官僚制組織とのズレ
タイトな統制・ルースな統制
組織間の緩やかな連結
学校における専門職の役割分化
役割分化や教員増は多忙化を解決するか
教員の協働
立場により異なる合理性の意味
現場の実践をどう支えるか
第四章 なぜ「学校教育は役に立つか」が議論になるのか
学校の経済的機能を捉えなおす
経済面に限定されない学校の社会的機能
投資としての教育
教育の逆進性
教育と経済の結びつきは自明か
機能主義と収益率
人的資本論への疑問と実証の難しさ
シグナリング
国民国家と学校
教育拡大の理論
教育システムの存在根拠
第五章 社会と学校は影響しあう
学校制度を支える神話
学校における儀礼的行為
大衆教育の役割
教育の選別・差異化機能
制度の同型化と拡大
学校化社会
機能主義・過剰教育論・マイヤーらの新制度論の関係
人々の感じる教育の有用感
教育機会の不平等がなぜ問題なのか
高等教育進学と出身階層
高校ランクと進路選択
トラッキング
強い階層の影響
シャドウ・エデュケーション
オンライン授業は格差縮小に資するか
生活習慣と格差
第六章 多様化・個性化時代の学校
「自分とは何か」という問い
モダニティ論と個人化
ライフコースは本当に多様化しているのか
教育とジェンダー
教育と労働市場のリンケージ
グローバル化への対応
不登校問題と学校
学校における集団生活
学級集団づくり
学級集団といじめ
感動ポルノ
際限のない教育
脱学校の社会
学校に対する要求や期待の多様性
学費負担と大学進学の価値
終章 これからの学校を考える
学校化がもたらすパラドクス
教育における建前と本音
無責任な教育政策
必要なコストは支払うべき
高度化する教員への要求
学校役割の限定化?
より良き市民社会に向けて
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

みねね

35
これでちくプリは無理があるだろう! そう思えるほどの重厚さ。新書で300ページ近い分量と文字の小ささが、本書の深度を物語っている。大学文系教養レベルの授業で扱われそうな内容だった。/教育社会学をはじめとして、教育を取り巻く問題を包括的に捉え、学問的に記述する。ゆえに明確な答え『学校の役割って〇〇』が出るわけではないが、輪郭だけは朧げに浮かび上がってくる。academic。/教育機関としてのエビデンスとの相性の悪さ、行政機関としての説明責任、その両方を抱える矛盾から昨今の諸問題が発生しているように感じた。2024/03/20

venturingbeyond

26
考査採点の合間をぬって読了。中澤先生の著作は、『日本の公教育』に続いて2冊目ですが、立教に移っておられたのですね。中身は、近代の公教育の原理、官僚制化・合理化のメリット・デメリット、日本の学校教育の特異性(強みと弱み)、教育改革の前提と方向性などなど、教育社会学のオーソドックスな主張がコンパクトにまとめてある。与党文教族をはじめ、多様なステイクホルダーそれぞれの「俺の考える最強の教育!」に振り回されることの多いわが業界からすると、教育について語る際は、最低限本書の内容は踏まえておいてもらいたいところ。2021/10/10

りょうみや

25
日本の学校と先生の多忙の現状、学校という制度の歴史、社会と学校の関係、学校によって作られる格差や個人のアイデンティティなど。学校について多面的に考えていって全体像が明確になる。身近すぎる存在ゆえこれまで当たり前と思っていたことも色々と考えさせられる。高校生でも理解できるように書いたとあるが難しいように思えた。2021/10/21

U-Tchallenge

9
教育を冷静に現実的に捉えることのできる一冊となっている。教育は「一億総評論家」状態にあり、誰もが一言言えてしまうことで、閉塞感を生んでしまっている感がある。だから、データ等の客観的に見えるものを基に話し出さないと、なかなか話が進まないように感じている。それは教育現場でもそうだ。ちくまプリマー新書ということで、かなり平易な文章で書かれているので、誰しもが読み進めやすくなっている。もちろん、だからと言って内容が薄いというわけではない。教育について考えや話を進めたい者にとっては必読の一冊に間違いない。2021/11/26

ちょび

8
漠然と教育基本法や学習指導要綱なるものを変えて行けば、今よりも少しはましになるのでは?と考えていたけれど、そんな簡単なものではないことがよく分かった。学校の教師がとにかく忙しすぎるのも、子供たちの窮屈さも何とかして欲しい。最終章「これからの学校を考える」で著者が考える問題点や改善策やヒントが記されている。社会の分断や格差社会を学校教育で解決することには限界があるが、何ができるか現実目線で考える必要があると言う。学校は将来の日本を担う人材の育成する場で、結果はいずれ私たちの社会に返ってくると結ぶ。2022/02/11

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