武田三代 - 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る

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武田三代 - 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る

  • 著者名:平山優
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • PHP研究所(2021/09発売)
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  • ISBN:9784569849867

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内容説明

日本を代表する戦国期武田三代の研究者が、その波乱の歴史を語る。武田信虎は1507年、国衆が周囲に割拠し、しかも今川・伊勢・諏方氏と敵対関係に陥っている状況で武田惣領家を受け継いだ。その後、信虎はいかに甲斐統一、また首都甲府の建設を成し遂げたのか。その信虎を追放し家督を継いだ信玄は、武田家の版図を信濃、飛騨、駿河にも広げ、晩年には足利義昭・織田信長・上杉謙信を驚倒させる外交戦略をとって信長と対峙する道を選ぶ。信玄が打倒信長にこだわった理由とは。しかし、その直後信玄は急死し、諏方神(すわじん)氏を称していた勝頼が跡を継ぐ。長篠の戦いのあと、一時は信玄を超える最大の版図を得たのにもかかわらず、勝頼はなぜ最後の武田家当主となったのか。信玄があのタイミングで信虎を追放した理由、長篠の戦いの真の敗因なども、最新の研究成果を踏まえて明快に解説。源義光の子孫である甲斐源氏の家宝「御旗・楯無(鎧)」を代々受けついだ名門武田家の実像に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roatsu

18
新書ながら400頁超の贅沢な一冊。戦国酣の16世紀の武田家当主三代の生涯と事績を最新の研究成果を反映して描き、同時代とその後の時代において戦国大名武田家とは何だったのかを改めて整理する。結末が分かっている勝頼公の章は読むのが辛いが、改めて彼が直面した情勢の困難さとその中でなし得た施策が詳らかにされ最善を尽くしつつも遂に武運尽きた実態が理解できると思う。田野での滅亡に際し土屋昌恒が放ったとされる血を吐くような言葉は胸に刺さる。甲信の山に登ると山頂から見える山々と地域がかつては全て武田領国だったかと思わず胸が2021/10/17

YONDA

17
武田研究の第一人者である平山先生の著作だけあって、研究の成果や新たな調査結果が随所に盛り込まれている。しかし、武田好きには長篠の敗戦から滅亡への道程は悲しい…。年内最後の読書に相応しい一冊であった。初詣は武田神社と恵林寺に行きたい。2022/12/30

MUNEKAZ

17
平山先生の武田氏研究のまとめのような一冊。なのでこれまでの既刊を読んでいた身には目新しい部分は無いが、戦国大名・武田氏の興亡を最新研究に基づいて手軽に知れるのはなかなかお得。甲斐・信濃という四方を他国に囲まれた内陸国を基盤とする故、存亡のカギを握るのは外交。甲相駿三国同盟を背景に、縦横無尽の活躍をした信玄に対し、織田と対抗するのに弱体化した上杉と遠国の佐竹しかいない勝頼の対比が、その最たるもの。また親の遺産(甲斐統一)をフル活用できた信玄と、負債(対織田戦)に苦しめられた勝頼という構図も鮮烈である。2022/05/25

のれん

15
長篠の闘いが滅亡の象徴というイメージがあるが、勝頼はむしろそこからの再起がめざましかったというのは素人目では中々驚くところ。 信玄神格化の煽りを食らう親と子だが、甲斐統一がまだで物価が不安定だったり、人材不足で領土の保守に転じた部下との不和だったりと、スタート時点が良くなかったと言える。 もちろん信玄は強かであり、織田、上杉、北条と同盟と対立を繰り返し追い詰めた強者ではあった。ただその急死は滅亡の遠縁ではあった。 論説の列挙で、あくあで現行説の紹介新書ではあるが、かなり親切な一冊であると思う。2021/10/17

ごん

14
信虎、信玄、勝頼の武田氏三代についてまとめた一冊です。著者の武田氏への思い入れが感じられるのがとてもいいですね。軍事国家である戦国大名は戦闘に勝利する事で内部支配を確立し拡大していきますが、一旦大きな敗北し、その後の対処を誤るとあっというまに瓦解してしまう。それは名門の武田氏でも変わらないようです。(まあ、それは武田滅亡から80日で本能寺となった織田氏もあまり変わらないですけど。)最後の土屋正恒の言葉が重いですね。長篠の敗北ではなく御館の乱で上杉景虎を見捨てたことが勝頼の最大のミスということですか。2023/05/07

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