コモンズとしての日本近代文学<br> コモンズとしての日本近代文学

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コモンズとしての日本近代文学
コモンズとしての日本近代文学

  • 著者名:ドミニク・チェン【著】
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • イースト・プレス(2021/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 750pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781619989

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内容説明

重たい文学全集はいらない。

日本近代文学は、いまや誰でも今ここでアクセスできる我々の共有財産(コモンズ)である。そこにはまだまだ見知らぬ隠されている。日英仏の文化とITに精通する著者が、独自に編んだ文学全集から、今の時代に必要な「未来を作る言葉」を探し出し、読書することの本質をあらためて問う。

【目次】
はじめに
文芸オープンソース宣言

寺田 寅彦『どんぐり』
織り込まれる時間

夏目 漱石『夢十夜』
夢をいきる時間

柳田 国男『遠野物語』
死者への戦慄

石川 啄木『一握の砂』
喜びの香り
 
南方 熊楠『神社合祀に関する意見』
神々と生命のエコロジー

泉 鏡花 『海神別荘』
夢と現実の往還

和辻 哲郎『古寺巡礼』
結晶する風土

小川未明『赤いろうそくと人魚』
死者と生きるための童話

宮沢 賢治『インドラの網』
インドラとインターネットの未来

内藤 湖南『大阪の町人学者富永仲基』
アップデートされる宗教

三遊亭 円朝『落語の濫觴』
落語の未来

梶井基次郎『桜の樹の下には』
ポスト・ヒューマンの死生観

岡倉 天心『茶の本』
東西翻訳奇譚

九鬼 周造『「いき」の構造』
永遠と無限の閾

林 芙美子『清貧の書』
世界への信頼を回復する

谷崎潤一郎『陰鬱礼賛』
闇のウェルビーイング

岡本 かの子『家霊』
呼応しあう『いのち』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

59
日本文学について勉強したい人におすすめの本になっている!構成やコンセプトから面白い。ここで出てくる本はみな青空文庫で読めるものになっている。その本についてドミニク・チェンさんが解説をしてその後原本が載ってきて最後にドミニク・チェンが面白いと感じる部分の引用箇所が書かれている構成である。そしてQRコードがついていてそこを読み取ると青空文庫でその書籍が読めるようになっている。この本を一言でまとめると「温故知新」であろう。私自身も読みたい本がかなり増えた!2023/06/25

原玉幸子

22
岡本かの子の小説は心情の切り取り方が素晴らしいと初めて知り、『陰翳礼讃』の谷崎潤一郎は文章が上手かったのだなと改めて気付かされ、ガキの頃に読んだ梶井基次郎を懐かしいと思い出し、(時代小説では私が数少ない途中で読むのを止めた)山本周五郎の近代小説は瞠目モノだった等々、作品から膨らむイメージを大事にする著者の発信は秀逸だったのですが、本書の構成の肝でもある初版本を敢えて転載する必要はないかと思った次第です。現代のビジュアル言語の風潮に合わせた?(●2021年・冬)2021/12/26

halow

0
電子書籍で読んでいたら、あとがきで「紙の本で読むべし」とされていた。ご無体な。題の通り日本文学を共有知として捉え、その文章群に触発されて生まれた文章を並べるという形式。そういうコンセプトであるから、最近話題になっている生成系AIと著作権の問題についての考えを知りたくなったが、柳宗悦を扱った章でその一端を読むことができた。それは生成と受容の価値を根本から捉え直すものであり、先の問い自体を成り立たなくさせるものである。著作物が商品として存在する以上、完全に同意することはできないがなるほどと思うところはあった。2024/01/31

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