内容説明
町娘のお糸が仕えることになったのは、鈴江三万石の奥方様。
その正体は……なんと猫?
人情、猫情てんこ盛りの抱腹絶倒、時代小説!
幼い頃から妖かしが見えてしまうお糸は、鈴江三万石の江戸屋敷に奉公に出ることになった。正室の珠子に仕えるものの、お糸の目に映る珠子は……なんと猫?
聞けば、城主長義に一目惚れし、人間に変化して嫁いできたという。しかし鈴江には権謀術数が飛び交い、長義にも命の危機が!
愛する人を守ろうとする珠子の姿に心打たれ、お糸もともに立ち上がるが……。
【『にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳』改題作品】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
78
信頼関係の積み重ねのような描き方がされていないせいか物語の展開が拙速で猫姫を好きになる主人公を独り善がりな小娘としか受け取れない。少女漫画じゃあるまいしその表現全てが乙女チックな夢見る少女のようで、姫の宿敵に対する彼女の憤り方すら大袈裟に空回りして見える。とにかく物語の至るところが感傷的でとっちらかっていて字面だけ頑張っているように思えてならない。深刻な成り行きもおちゃらけた会話で迷走するし、最後は人間の御家騒動を妖弧とのバトルに転換してしまう。にゃんとも肌が合わない物語だった。2022/02/08
のびすけ
19
設定の面白さと、妖猫珠子の可愛らしさと、ハチャメチャコメディ。あさのあつこさん、振り切れちゃってます。2023/12/21
><
19
初版2021年。設定がおもしろそうだなぁ...と思い、手に取りました。キャラクターの濃い人や猫がたくさん出てきます。珠子さまのかわいさと、糸さんのお人柄がよいですね。あさのさんは「バッテリー」で好きになった作家さんなので、他にも読んでみたいと思います。2023/07/20
み
18
ジャケ読みした作品、ちと脱力系な感じ。特に、わらちゃん、想像してニマニマでした。2023/12/30
えりまき
17
2022(7)にゃんとかわいいお話!妖が見えてしまうお糸が奉公に出たお屋敷の正室・珠子さま(名前もかわいい!)は、にゃんと猫族なんだけどちょいと不思議な一族の三毛猫。珠子のだでぃー・権太郎、虎の三嶋に、藁人形のわらちゃん。長義さまとのラブラブぶりも可愛らしい。お糸の香具師の口上が面白い。「できま線香、そっちは鮟鱇」「おった髷なら誰が結う。おったま下駄なら誰が履く。」。お糸と夢之介のその後も気になります。続きが読みたいです。 2022/01/16