角川春樹事務所<br> EV

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角川春樹事務所
EV

  • 著者名:高嶋哲夫【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 角川春樹事務所(2021/09発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784758413916

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内容説明

深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制される。つまり新車販売は電気のみで動く車に限られるのだ。加えて中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある。だが、いったいどうすればいいのか……?電気自動車への全面移行に遅れた日本に、起死回生の一手はあるのか?『首都感染』で新型コロナ感染拡大を予言した著者が描く、〝日本経済、予言の書〟解禁!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

116
EV(電気自動車)の導入をめぐる近未来小説。小説としては少し冗長だが、しかし、地球温暖化を踏まえた自動車戦略における日本の危うさを鋭く指摘しているという意味で、著者の見識の高さを感じる。エンジン技術で世界一であるがために、また、ハイブリッド車という圧倒的に優秀なシステムを有しているがために、却って、その呪縛から逃れられずに世界から取り残されつつある日本の姿が描かれる。ハイブリッド車を環境対応車と認定している中国が政策転換したら、日本が一気に奈落の底に突き落とされるという著者の警鐘を、真摯に受け止めたい。2021/11/12

ウッディ

98
環境対応車としてハイブリッド車への移行を進めてきた日本、優れた技術ゆえに、EV(電気自動車)への移行が遅れ、欧米や中国に取り残される危機を訴える一人の官僚の活躍を描いた物語。「首都感染」など、パニック&シミュレーションものを書いてきた著者だが、リアリティを追求するあまり、現実と小説の境界がわかりにくく、現実の日本はどこまで進んでいるのか不安になった。自動車会社を中心に広がる中小の部品メーカーを含めた自動車産業がエンジンからモーターへの転換ができるのか、環境と経済の両立はできるの、考えさせる一冊でした。2021/12/02

ひこうき雲

85
電気自動車にまつわる思惑の話。グレタ以来、少しヒステリックに世界はカーボンゼロに向けて進んでて、欧米、中国すごいね!日本は時代遅れだ!みたいに話が進んでいるけど、単純に電気自動車に全て移行してしまうと、マンションの駐車場、特に機械式の場合、充電設備を設置するのは不可能じゃないかと思ってしまう。出先で充電するのもかなり時間かかりそうだし…つまり何が言いたいかと言うと、現実は複合的に複雑に様々なものが絡み合っていて、そう簡単に進まないということ。2021/12/26

タックン

60
大変面白く興味深く読んだ。私も自動車産業に従事してるが正直今までEVについては不勉強だったので勉強になった。 でもこの本のことがほんとなら、EV化で自動車産業に下請けは構造改革を迫られ下手すると、バブル崩壊いや石油ショック時の混乱を迎えるかもしてないなあ。 でもいかにせん2025年に完全EV化は無理かなあ・・ 自動車完全EV化をみすえた近未来小説とはいえ、時代設定があいまいとか本では政府・官僚が主体みたいだけど現実は自動車工業会が主体なのでは? 優秀な若き官僚とテスラ社のCEOの交流がよかった。2021/11/15

Yunemo

53
どうなるんでしょう。日本の産業構造の大転換、日本経済に及ぼす影響、蓄積してきた技術の行く末。現実に12月にトヨタが2030年にEV車30種350万台販売、4兆円の投資、との新聞発表。携帯電話も世界の最先端を走りながらガラパゴス化。今までは、政府が主導して民間が全力で実現していく、これが日本が得意とするパターン。EVについてもこの流れで行けるのかな。プラザ合意、バブル崩壊の悲劇を起こさないこと、政府、経産省でそれができるのかな、難しいでしょう。近い未来の現実がそこまで迫ってます。著者からの警鐘として捉えて。2021/12/30

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