文春e-book<br> 娘の遺体は凍っていた 旭川女子中学生イジメ凍死事件

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文春e-book
娘の遺体は凍っていた 旭川女子中学生イジメ凍死事件

  • ISBN:9784163914312

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内容説明

中学2年の少女を死に追いやったのは、誰か?

わいせつ写真の要求、自慰行為の強要――中学校入学間もない凄惨なイジメ。だが学校はイジメを認めず、心に傷を負った少女はある日、忽然と消えた。そして38日後――。遺体は雪の中から発見された。
凄惨なイジメの実態、不可解な学校の対応。遺族・加害者・関係者に徹底取材した文春オンラインの報道は全国的な反響を呼び、ついに第三者委員会の再調査が決定した。北の大地を揺るがした同時進行ドキュメント。母の手記「爽彩へ」を収録。

取材班は旭川に向かった――
「文春オンライン」編集部に爽彩さんの母親の支援者から連絡が寄せられたのは、彼女の遺体が発見されてから1週間後のことだった。この支援者によると、爽彩さんは2019年4月、地元のY中学校に通うようになってすぐ、近隣の小中学校の生徒から「性的な辱め」を受けた過去があり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、死亡する直前までそのトラウマに苦しんでいたという。
 取材班は旭川に向かった。だが、関係者に多くの未成年がいることを鑑み、未成年の関係者への取材は保護者を通じて申請するなど取材は可能な限り慎重に進めた。(本文より)

目次より
遺体は凍っていた/凄惨なイジメの実態/少女は川へ飛び込んだ/加害者たちが語ったこと/中学校はどう対応したか/「イジメはなかった」当時の校長を直撃/第三者委員会による再調査が決定/爽彩さんがネットの友人たちに相談していたこと/大荒れとなった保護者説明会/拡散するデマ、逮捕者も出た迷惑ユーチューバー/第三者委員会のメンバー候補への疑問/市議会で相次いだ事件への質問/「死体検案所」は語る/隠蔽体質の教育委員会は解散せよ――尾木ママの直言/〔資料〕全文公開 Y中学臨時保護者会/母の手記「爽彩へ」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

88
凄惨な事件が繰り返される。表沙汰にならない<事件>も相当数に上るだろう。知らなければ知らないで済まされる…のだろうか。本書を一読をと薦めるのも辛い。だが、目を背けていればいいってものではないだろう。2022/06/17

yomineko@猫と共に生きる

74
文春オンラインで明るみに出るまで事実を隠蔽していた中学校。子どもは失敗する存在だと加害者を庇う教頭。人の尊厳を失わせる悪質な行為であるにも拘らず、イジメを認めない神経がおかしい。SOSを発しているのに「今夜はデートだから」と無視した担任教師。保護者の怒りは心頭に達し、説明会では怒号が飛び交うのも当たり前。謝罪しようとしない学校に子どもを通わせていいのか!という問いに対しても答えはないが、爽彩(さあや)さんがたった14歳で自死した事実が正にその答えである。親ガチャあり学校ガチャまである日本😢加害生徒有利は2024/01/09

読特

56
ただでさえ、生きにくさを持った心。そこに降りかかる無残な仕打ち。辛かったろう、怖かったろう、寒かったろう。何かできなかったのか。教育者達は見過ごした。極寒の大地で形をなすだけの教育機関。勤め抜けさえすれば、安泰が待つ校長というポスト。ネットのデマは罪なき人々も巻き込む。”ケーキを切れない少年”そして大人たちよ。加害者憎しで終わらせてはいけない。今生きるこの国で起きたこと。いじめに発達障害、真摯に向き合わない教育、地方の人材難、ネットの中傷・・山のように突き付けられた課題。一つ一つ解いていかなければならない2022/01/06

たまきら

49
赤裸々に書かれた被害状況を初めて読んだ時、呆然としたのを覚えています。ご遺族の覚悟、怒り、悲しみはそのまま子供を持つすべての親が恐れるもの、そのもの。人を疑うことを知らない優しい女の子が受けた残忍な仕打ち。そして「別になんも思わんかった」加害者グループ。学校が言ったという「加害生徒にも未来がある」という言葉の残酷さには、ただただ呆然としました。凍った娘の遺体に触れることになった母親によくそんな事が言えるもんだ。ああ…死んだら大損だ。でも、暴露される恐怖に打ち勝てと言えるわけがない。ただただ辛かった。2024/03/24

つちのこ

45
読み進むにつれ腹立たしさと後味の悪さが込み上げてきた。14歳の少女を死に追いやった加害少年たち、校長、教頭、担任教師(通称:デート教師)。必殺仕事人がいれば、間違いなくコイツらは闇に葬られる標的である。中学校と旭川教委の隠ぺい体質も文春の取材によって明らかになっていくが、都合の良い選抜者からなる第三者委員会設置に煙に巻かれ、この先の追及が中断しているのは残念。更に、少年法に守られた加害者たち。インタビューの突っ込みも生ぬるい。みじんの反省もなく責任転嫁し、薄ら笑いを浮かべる親子。嫌なものを読んでしまった。2022/02/07

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