内容説明
本書では、複雑系の視点から経済・社会を論じる5編の論文を収録。内部状態を持った個体が集まってできた系の集団的・統計的性質に着目し、各個体の情報からいかに集団を特徴づけるか、いかに新たな集団的性質を発見するかという問いが示されている。
目次
表紙
経済学における複雑系の系譜-スミス・マーシャル・シュンペーター-(東條隆進)
1 はじめに-複雑系経済学とは何か
2 カルドア型の内生的リミット・サイクル型からグドウィン=シュンペーター理論へ
3 複雑系経済学としてスミス・マーシャル・シュンペーター経済学
4 複雑系経済学としてのシュンペーターのイノベーション理論
5 景気循環 (Business Cycles) とは何か
6 投資と商品価値と利潤の三角形
7 結論
景気循環理論と非線型動学:IS-LM 分析における展開(吉田博之)
1 はじめに
2 日本経済における景気循環の実相
3 IS-LM 分析
4 平面における極限周期解の理論
5 分岐理論
6 タイムラグとマクロ経済動学
7 結合振動子
8 おわりに
社会物理学と考現学との接点(山崎義弘)
1 はじめに
2 社会物理学と統計物理学
3 考現学
4 社会物理学と考現学との接点
5 さいごに
動物の群れにおける自由と社会(郡司ペギオ幸夫・村上 久・都丸武宜)
1 はじめに
2 動物の群れの二重性・意識の二重性
3 哲学的ゾンビを間接的に捉える
4 ベイズ・逆ベイズ推論
5 非同期時間と不断の推論反転
6 結論
対戦型スポーツに対する統計物理からのアプローチ(成塚拓真)
1 はじめに
2 対戦型スポーツの研究
3 サッカーを例として
4 今後の展望