内容説明
本書は、大量のデータを扱う際などに用いられる線形代数を、抽象的な高次元空間を直観的にイメージするのに役立つだけでなく、その目的のためにはどのような処理を行えばよいかという指針ともなる、“幾何学的な解釈”も含めて解説していく。すべての根幹として射影という概念を最初にとりあげ、また特異値分解の計算を行列式や逆行列や固有値の計算と同等の「行列の基本演算」とみなし、議論を進めていく。
目次
第1章 線形空間と射影
第2章 固有値とスペクトル分解
第3章 特異値と特異値分解
第4章 一般逆行列
第5章 連立1次方程式の最小2乗解
第6章 ベクトルの確率分布
第7章 空間の当てはめ
第8章 行列の因子分解
付録 線形代数の基礎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shin_ash
4
あとがきにある様に本書は金谷先生の「これなら分かる応用数学教室」と「これなら分かる最適化数学」の発展版にあたる。線形代数の基礎部分は先の両書と付録に譲っている為か本編は101pと少ない上に、章のアブストラクトと図のキャプションの英語併記を行なっているため、日本語の記述はさらに少ない。しかしながら、工学的応用で必要になる要点を押さえながら射影、特異値分解、一般逆行列のつながりと応用を丁寧に解説する良書。統計学や機械学習ではこれらは推定、最適化などの理解に必要で、曖昧な理解を整理するにはちょうど良かった。2018/08/25
クラーケン
1
凄い。これまで他の線形代数の入門書を色々手にとっては疲れて置いていたが、付録の基礎編から読んだら、簡潔かつわかりやすく、なるほど!の連続だった。とりあえず使いそうな、第6章の途中までは理解が追いついたので応用の方の勉強してから、また再読したいと思います。2022/07/24
デコボコ
0
○ めちゃ良かったです!2021/10/16
酒井 敦
0
この本は、大学教養で行われる線形代数の授業の先を想定して書かれている。具体的に、学部や大学院及び現場のエンジニアが利用することを想定している。ただ、純粋数学ではなく、工業数学として携わっている方が記載した本なので、実用の観点が色濃く出ており、その意味で分かりやすく感じた。2021/11/12
Kenji Hiranabe
0
寺田さんの紹介。SVDとても詳しい。読みやすく、問題も豊富。2021/05/03