内容説明
本書は,地球環境変動の過去・現在・未来について,地域スケールから全球スケールにおけるプロセスとメカニズムを,生態学的な視点から解説した本である。地球環境変動を理解するためには,広い視野で総合的に研究を展開することが望まれる。そのため,本書では地球環境変動に関わる生物・物理・化学・地学の基礎と最新の話題を扱い,さらには人文社会科学的側面にも触れる。地球環境変動について学びたい者や今後研究を発展させていこうとする者の指針となる一冊である。
目次
地球環境変動と陸域生態系
陸域生態系研究における現地観測
リモートセンシングによってわかる陸上植生
異なる気候に成立する森林の動態と自然攪乱
地域スケールにおける大気と森林生態系の相互作用研究―森林動態を考慮した、大気‐森林間のエネルギー・炭素交換の理解にむけて
土壌における炭素動態とモデリング
植生と気候の相互作用と、動的全球植生モデル
土壌における炭素循環と気候変動
花粉分析による植生変動の復元
樹木年輪セルロースの酸素同位体比による気候変動の復元〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
1
温暖化の最大の原因物質とされる二酸化炭素を大量に放出し、その最大の吸収源である森林を大量に伐採し続ける。京都議定書が採択、発効された20世紀末から21世紀の初頭をピークに、温暖化の問題はその将来予測の不確実さや危機の程度問題に議論が移行し、我々一般人の間にも、当初言われていたほどに深刻な問題ではないのではないかという空気すら流れつつあるような気がする。本当にそんな捉え方でよいのだろうか。程度問題として片付けてしまい、人間(自分)にとって害がない程度であれば、多少森林や動植物が減ることを取り立てて→(2)2017/01/24