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内容説明
ドイツの学費は大学まで無料。出産費用もタダ――その一方で10歳前後にて、大学進学か就職かをある程度選択せねばならず、就活も存在しないため就職はかなりハード。一方仕事は、バカンスを約一カ月取得し、一人当たりの労働生産性は日本人よりも高いという事実。そして少子高齢化対策として難民を積極的に受け入れるドイツ。昨今は、ドイツ礼賛本一辺倒からドイツ批判の本も書店には並ぶ。メルケル首相の退陣が近づくなか、ドイツでは右傾化の動きも活発になっている。日本だけを見ていては見逃してしまう問題をドイツと比較することで、浮き彫りにしていく。本書は7章構成で各章巻頭には、各章の対論テーマ、それに付随する資料を掲載し、対論の内容の理解が進むように構成した。いまのドイツを知ることは日本を知ることに他ならない。社会人の教養として読むべき一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
40
ドイツと日本との働き方、教育、家族等の日常比較論的な書。池上さん以外ははじめて知る二人。割りに既知な部分が多かったが、ドイツではリモート勤務によりごく少なかった残業がわずかながら増加、逆に日本では減少という点は面白かった。「社会が子供を育てる」と言う意識が高いドイツというところもテイク・ノートしておくべきだろう。ドイツの「ブレイディみかこ」さん的な人を発掘して、庶民意識がどうなっているかの話しが聞いてみたい。2021/10/23
ta_chanko
28
ともに敗戦国かつ戦後復興の優等生。共通する部分もあるが、当然相違点も多い。現在も経済が堅調な点、1人あたりの生産性が高い点、脱原発など環境問題に熱心な点、女性でも活躍できる点、福祉が充実している点、議論を重視する教育など、学ぶべきところが多いが、実態をよく見ると単純に理想化するのも危うい。理念が先行しすぎたりルールやプロセスに厳格すぎるところ、旧東ドイツの闇など、問題点も多々ある。当然、日本と同じように世代によっても考え方が異なる。ステレオタイプ化しないことが大切。2021/10/12
でら
22
受動的かつエレベーター方式で大学に行けてしまうのは楽だけど、だからこそ大人になっても責任感のなさが目立つ。 ドイツの人と話したことはないけれど、精神年齢10歳くらい違いそう。 自分もドイツ人の論理性を見習わなきゃと思った。 あと印象に残ったのが、日本の政治的無関心さのところ。 こういう本を見る度に、しっかり新聞を読んで、今の日本について知らなきゃなと思う。2021/09/03
紙狸
18
2021年9月刊行。マライ・メントラインさんというドイツ人女性には最近注目している。QJWebという媒体に掲載した小泉悠論には感心した。感性と表現力を兼ね備えている。それでこの鼎談本を買った。彼女がドイツ人を語る部分には鋭さがある。環境問題を巡る議論に「昔からしぶとく変わらぬ教養権威主義」をかぎとり、「ドイツ人が全力でマウントをとってくる分野」が「環境意識」だと表現する。彼女にもっともっと語らせた方が深みのある本になっただろう。鼎談相手のドイツに関する一知半解の発言が多すぎた。2022/10/16
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
17
直木賞・芥川賞の時期に、杉江松恋さんとの予想対談が楽しみなマライ・メントラインさん。池上彰さんと増田ユリアさんとのドイツと日本についての鼎談。面白くないというわけではないけれど、何か型にはまったような感じ。以前読んだ『現代ロシアの軍事戦略』の小泉悠さんと安田峰俊さんとの対談の方が面白かった。2022/12/26
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