内容説明
栄西、道元、大応、大燈、関山、一休、正三、沢庵、桃水、白隠、盤珪、良寛などの禅僧の生涯と思想について語る。世俗を否定し、超越する本来の禅を「純禅」とする著者が、「純禅」に生きた先達の生き様を描く。達磨以来の中国禅の系譜に始まり日本で独自に発展した禅の歴史を一度に知ることができる名著を初文庫化。
第一章 それは達磨から始まった
第二章 臨済禅を築いた祖師たち
第三章 反時代者道元希玄の生き方
第四章 曹洞大教団の誕生
第五章 一休宗純の風狂破戒
第六章 三河武士鈴木正三の場合
第七章 沢庵宗彭体制内からの視線
第八章 雲渓桃水と白隠禅師の自由自在
第九章 日本禅の沈滞を破る明国からの波
第十章 大愚良寛「無住の住」の生涯
終章 民衆が純禅を支える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yone
2
臨済宗の寺で小僧として育ち出奔した経験を持つ作家水上勉氏の禅宗傑僧概略といったところか。中国からの禅の流れを大きく掴むには良い本だと思う。もちろん多分に「純禅」を求める著者の想いが溢れ出ている。禅の魅力はストイックに道を求めるひたむきさとある意味「パンキッシュ」と言える程に自由奔放な僧たちの言動にある事も再確認。2020/04/20
でろり~ん
1
労作でした。ダルマから語り起して良寛まで、日本と仏教の関わり合いを考えさせられた一冊。ただ、同じタイトルの本を出している鈴木大拙まで書き進めなかったのはどうしてだったんでしょう。生まれは隣同士の福井と石川。半世紀ほど大拙の方が先に生まれているとはいえ、禅僧としてなにかしらの意見は持っていたのではないかと思いますが。何か意見を言うにしては生々しすぎるという配慮だったんでしょうか。一般人の心の拠り所としての僧侶という存在が失われてしまったのはいつ頃からなんでしょうね。著者が逝ってから既に十五年。世はキナ臭い。2019/12/08
えろこ
0
ACTやマインドフルネスの本をよく読んでいた繋がりから、禅にも興味を持ったので、わかりやすいハウツーから…と思って書名から安直に選んだのですが、予想とは違い、がっつりとした歴史の本だったので、ちょっと選択ミスでした。読み方すらわからない仏教用語に苦戦しましたが、全部調べてたらうんざりしそうなので、語の意味でニュアンスがなんとなくわかるものは飛ばしてなんとか読破しました。道元にしろ大応にしろ、本当に実在したんか?と疑いたくなるくらい超人過ぎる…。2024/11/24
天使
0
読みやすいし、小ネタもよい。良書。2023/03/31
bittersweet symphony
0
組織におもねらず独立独歩の姿勢としての禅を追求した、前半1/4が中国の、残りが日本の比較的有名どころを史跡を巡りつつその人生を紹介していく内容。組織禅の胡散臭さに言及しつつも断罪し切れていない所に一抹の寂しさがありますね。個人的にはキャラクターの立ち具合から行くと中/日の割合を逆にして、中国の禅僧を体系立てて紹介している読み物が欲しいところです。2019/01/25
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