内容説明
偉大な父をいつか超えてみせる――。徳川家康の子の生まれ、11歳で人質として豊臣秀吉の養子となった於義丸は、天下人と父との狭間で、自らの使命を見いだしていく。新田次郎文学賞・中山義秀文学賞受賞作家による、福井藩祖・結城秀康の波瀾万丈の生涯を描く歴史巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
64
父と息子・・なかなか分かり合えないものなんですね。家康の息子であり秀吉の養子・結城秀康の34歳の短い人生。波乱万丈ではあるが、家康と秀康の心のすれ違いからお互いを思いやる気持ちまでの心理描写がとても良かった。(本当なら秀逸ですと書くべきでしょうが、子供が親を慕う気持ちには不向きかと。)昔、双子は忌むべき存在であった。それを知られずに生まれたばかりに父親から認めてもらえず・・。獅子の子落としのような家康の育て方と、大甘の秀吉の育て方。今の若いお父さんは秀吉流かしら?。淀殿や三成を優しく包んだ書き方が良かった2016/10/22
はつばあば
57
再読。部屋をちょっと変われば積読本と読了本が混在している。これもあれまぁ未読やったかねぇと読み終え感想を・・と思ったらこれまたレビュー済み。いやいや家康とくれば信康と秀忠と忠輝が有名ですが、この秀康も魅力ある人物と。一番家康に似ていたのでしょう。兄信康を慕い弟秀忠をおもんばかり・・34歳にて死去。ほんとうにひたむきに生きて来られた人生なんでしょうね。この作家さんによる結城秀康さん楽しめました。ただ子供も親がしっかり生きて手綱をとらないと家を潰すことになります。早世と甘やかしは子供によくありません。2021/02/27
きょちょ
25
家康の長男信康は、父の命により切腹させられたことは有名。三男の秀忠は二代将軍。では、次男の秀康は?私は彼の生涯をほとんど知らなかった。この人に焦点を当てたというだけで興味深い。当時の養子は、政略的要素が濃いし、人質という意味合いもある。家康も子供の頃人質にされたが、この「人質」という点で親子の確執が生まれる。秀康の人質は、家康を豊臣家の家臣にするという目的があり、家康が秀吉に挨拶に出向くことでそれが達成されるのだが、そのあたりが面白い。後半だんだんと家康の真意がわかってくるところも面白い。 ★★★2021/08/12
tom1969
23
家康の二男で「秀康」、名前が秀吉+家康=秀康です。諸説あるそうですが本書を信じます。双子である畜生腹と言うハンデもプラス思考で回避した男気に感銘しました。今の時代は戦国の武勇伝より生き方として尊敬します。2017/02/18
タツ フカガワ
17
長男信康亡き後、徳川家嫡男となるはずの於義丸(後の秀康)だが、父家康と対面したのは3歳のとき。12歳で豊臣秀吉の養子に出される。父は自分を見捨てたのか。という思いを抱いた子と父の34年間の物語。隆慶一郞『捨て童子 松平忠輝』のように新しい結城秀康像を楽しみました。2020/01/26
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