内容説明
あるトラウマが原因で教室内では声が出せない“場面(ばめん)緘黙症(かんもくしょう)”を患っている高2の柚(ゆず)葵(き)。透明人間のように過ごしていたある日、クールな陸上部のエース・成瀬(なるせ)がなぜか度々柚葵を助けてくれるように。まるで、彼に自分の声が聞こえているようだと不思議に思っていると、成瀬から突然『人の心が読めるんだ』と告白される。少しずつふたりは距離を縮め惹かれ合っていくけれど、成瀬と柚葵の間には、ある切なすぎる過去が隠されていた・・・。“消えたい”と“生きたい”の間で葛藤するふたりが向き合うとき、未来が動き出す――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
合縁奇縁
97
『「この世界から消えたい」そんな私を君が救ってくれた。』高2の柚葵は、過去のトラウマで『場面緘黙症』になり、学校内で声を出さない。孤独な学校生活を送っていたが、ある日、顔の整った陸上部のエース・成瀬慧にスケッチブックを見られてから、彼に構われるようになる。さらに成瀬から突然『人の心が読めるんだ』と打ち明けられて…。心の声が聞こえてしまう少年と、声が出せない少女の物語。少しずつ二人は惹かれ合っていくけれど、成瀬はどうしても柚葵に決して許してもらえる資格がない切なすぎる過去が隠されていた。成瀬と柚葵の両視点で2024/03/04
寂しがり屋の狼さん
68
透明人間みたいに生きていた私を、君だけが見つけてくれた…。“場面緘黙症”により声を失った少女と“心読み”の能力に悩む少年の恋物語。『君は、透明になる前に、自分の気持ちを叫びなさい』冒頭で綴られた言葉が被害者と加害者のような関係のふたりを繋ぎ留める。2022/06/11
メル 6さんとペア画中
21
読了しました〜✨とても感動して涙しました💧「自分を乗り越えたい」という言葉が心に残りました。感動する文章だったり、励ましてくれたりする文章、お話でとても暖かい気持ちになりました。2022/02/14
ちまちゃん
10
場面緘黙症の少女と心が読める少年の物語。 環境によって声がでなくなる症状は実際に起こりうること。この作品をきっかけで知ることができた。 お話も切なくてあっという間に読み終えた。関連作品も読んで見ようと思う。2023/07/21
かける
4
場面緘黙症の少女と心が読める少年。それぞれの視点で書かれており、その気持ちの揺らぎが切ない。番外編で幸せな2人が見れてよかった2023/02/11