徳間文庫<br> 移民の譜 東京・サンパウロ殺人交点【新装版】

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徳間文庫
移民の譜 東京・サンパウロ殺人交点【新装版】

  • 著者名:麻野涼【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 徳間書店(2021/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198927967

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内容説明

かつて日系ブラジル移民のあいだに、日本の敗戦を認めない「勝ち組」と呼ばれた人びとがいた。悲惨な境遇に耐えながら「勝ち組」の人びとは、いずれ天皇の船が彼らを迎えにやって来てくれるのだと信じていた。
この物語では純朴な「勝ち組」の人びとをだまして巨財を築き、戦後社会でのし上がっていった政治家、官僚、商人らの虚妄が暴かれる。

1954年、ブラジルの日系社会で「勝ち組」一家心中事件が起きた。それから時は流れ1988年、東京とサンパウロの双方で、殺人事件が起きる。
東京・新宿では、かつて移民の送り出し機関であった国際協力事業団(JICA)の総裁が、ホームレスの男と刺し違えて死ぬ。
サンパウロでは、日本の首相も列席する移民80周年祭の最中に、日系の老人が「死神部隊」と呼ばれる私刑組織の手によって射殺される。東京で死んだホームレスの男は仲間に戦前の古い100円札を見せびらかし、これが近々大金に化けると言っていた。
サンパウロで殺された老人も、その手にやはり旧円紙幣を握り締めていた。
東京とサンパウロの事件を結びつけ、さらには「勝ち組」一家心中事件にまでさかのぼる旧円紙幣の謎を追いかけて、パズルの断片を組み立てていくのは、二人の若い新聞記者だ。
日本側が東日経済新聞、新宿署詰めの藪本秀也。ブラジル側が聖州日々新聞の吉田マルコス。
藪本は西大久保公園で売春をしていたドミニカ出身の日系二世・坂口アンヘリカが、死んだホームレスの男の娘だということをつきとめる。
マルコスは恋人の野口マダレーナを残して東京支局に転勤になり、サンパウロで殺された老人の出身地である富山県の山村にまで取材に出かける。
やがて浮かび上がってくる事件の真相……その背景には、50年以上前に同じ故郷をあとにし、また同じ移民船に乗り合わせながら、その後の運命を分けた人びとの複雑な人間関係があった。
そして事件は、政権をゆるがすスキャンダルに発展していく……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Richard

0
ちょっと内容が濃すぎたのでしょうか。主な出来事としてはサブタイトル通り、東京とサンパウロで起こった殺人が交差していくのですが、登場人物が多数、その歴史的背景、そしてそれぞれの物語が複雑に絡み合います。2013/02/27

鈴と空

0
一応最後まで読んだけど、かなり手こずった。今までに読んだ浅野さん作品の中でダントツで苦手。2009/05/27

ycoco

0
さすがブラジルで記者されていた麻野さんですね。気合いを感じました。彼の著作は、移民モノや戦争に絡んだモノ、が読み応えがあると思っております。史実と照らし合わせてみたいですね。蛇足ながら、登場人物、複雑な人間関係や出来事が多いので、ちょっと疲れましたが。2023/03/02

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