内容説明
日本で「アジア」に出会える場所を描くエッセイ。リトルバンコクは忽然と消えた(荒川沖)/ミャンマー人の寿司屋に救われる日本人たち(浅草)/リトルミャンマーが受け入れてきたもの(高田馬場)/台湾の独立運動を支えたターローメン(池袋)など。中国式揚げパン「油條」、タイの竹餅「カオラム」、シャン風揚げ豆腐「トーフジョー」、香港の粥的マカロニスープ、台湾おでん「滷味」など、家庭で楽しめるレシピコラムつき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なお
20
タイトル通り、まさにアジアのある場所の本。都内でミャンマーやら台湾やら色々感じられる場所が紹介されている。 ミャンマー人の経営する寿司屋にはいってみたい。 下川氏の本を読むだけでアジアを感じた。2022/07/01
イロハニ
19
題に《アジアのある…と、その『ある』が気になる。或る?有る?と。読み出すと『有る』だった。その有るは海外現地だけでなく日本国内にも胡散臭さも伴い日常化した。タイ・沖縄・ミャンマー・香港・台湾と北回帰線界隈のみを探究するかと思いきや後半に内陸西アジアも登場する。こうして地理的にダイナミックな西進をするも読後に雄渾なり飛翔感なりの読後は発生しない。去来するのは諦念。だがその中に滑稽な現地日常食の紹介も有る。それは無用な固定概念に囚われるな!もっと融通無碍に直視して行動もそれに伴わせよう!という寓意でもあった⇨2023/10/31
エリ本
11
浅草のラカイン人寿司店の話と、台湾独立運動に生涯を捧げた史明さんの話が良かった。コロナが落ち着いてきたからまた旅行記も読みたい。2022/06/19
kotetsupatapata
11
星★★★☆☆ バックパッカーの教祖もこのコロナ禍では流石に旅の本を記すのは困難か~ 今作は日本に根を張って生きる東南アジアの人々が主な題材。 早くしがらみなく海外に行きたいね2021/09/20
カツ
8
ご時世のせいか新作は紀行物ではなかった。下川さんは本でしか知らないが「僕は店の中では存在感が薄いらしい」という言葉が著者の人と成をよく表していると思う。なぜアジアがある場所が好きなのか?「込み入った会話ができないことが居心地のよさにつながる気がする」う~ん、その気持ち分かるなぁ。2022/04/08