内容説明
大注目の音楽ユニット「三月のパンタシア」のボーカル初小説! エモさ120%の青春音速ストーリー。
高校三年生の5月、父の仕事の都合で隣町へと引っ越してきた心音。人付き合いが苦手で言葉がつっかえやすいことから、転入先でも孤独な日々を送っていた。ある日海辺で、亡き母が大好きだった曲『やさしさに包まれたなら』をギター片手にひとりで歌っていると、突然、男性から「俺と、歌ってくれんか! 」と声をかけられる。慌てて逃げだした心音の前に、翌日、制服姿で現れた彼は、強引に心音の手をとって駆けだす。連れていかれた先は、彼がギターを務めるバンドの練習場で――!? 友情、初恋、家族、夢……。“言いたくても言えない”思春期特有の甘くて切ない気持ちを瑞々しい筆致で描き切った、青春音楽グラフィティ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
73
YA。水原心音は人見知りで口下手な高校3年生。母は心音を出産する時に亡くなり父と二人暮しで、心音は母が残してくれたギターだけが心の拠り所だった。海辺でひとり歌っていると、偶然歌声を聴いた瀬戸千景に話しかけられる。バンドのボーカルに誘われた心音は戸惑いつつも一緒に歌うことを了承する。絶対歌えないと思っていたのに瀬戸の隣だと歌えた心音は、だんだんと自信を付けていく。イベントライブに向けてオリジナル曲も作り準備が進む中、瀬戸が心臓の手術を受けることになる▽青春×音楽ピュアストーリー。タイトルはイミフ2022/08/09
もえたく
19
音楽ユニット「三月のパンタシア」のボーカリストの書き下ろし小説。気恥ずかしくなるくらいキラキラした男子、女子高校生らの青春バンドに恋愛要素も加わって、ニヤニヤが止まらない感じでした。作中で披露される曲『夜光』も聞けるようなので、聞いてみたくなりました。2021/11/20
沙智
7
正直前半の3分の1くらいまではやや退屈だったけど、中盤からグイグイ面白くなっていった。というのも、心音がバンドに加入するまでの流れが些か性急で感情移入がしづらかったのと、バンドメンバーのキャラ像が前半は記号的というか薄味だったからだ。メンバーそれぞれが抱えている悩みを心音に打ち明け、心の距離を近づけていく中盤からの展開は読み応えがあってとても良かった。情景描写、特に空や海を表す際の比喩表現に光るものがあり、著者の作詞家としての腕を垣間見た気がした。爽やかで喉越しの良い文章が作品世界を豊かに彩っている。2023/03/04
Ramo
7
大好きな三パシみあちゃんの初の小説。綺麗なお話でした✨本番始まった瞬間“夜光”聴いたらめっちゃ響いた。小説でよく歌う描写あるけど、これの場合はあとは聴いてっ!て言われてるみたいだった。唯ちゃんのパインドロップの方もいい話だった。2021/08/17
雪桜
3
青春の輝きが詰まった、甘く爽やかな青春小説。みあさんの作る詞の言葉や描く心情、切り取られた情景、素直で真っ直ぐな表現全てが綺麗で可愛くて大好きなのですが、文章も同じでとても好みでした。心がときめくようなキラキラとした文章に表現、物語で、読んでいて本当に楽しく、幸せでした。小説を読んでから『夜光』を聴くと、主人公の歌に込めた想いや出来事が一緒に流れ込んできて、物語に入っている気分になって、いつまでも本の世界を楽しむことができて、大好きです。これからも永遠に大切にしたい、宝物みたいな一冊になりました。2021/08/12