江戸のお勘定

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江戸のお勘定

  • ISBN:9784295201953

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内容説明

【物価から見える江戸っ子暮らし】

「それって、いくらだい?」
かつての時代劇や時代小説と異なり、現在は商人や料理人など市井に暮らす様々な職業の人が主人公のものが多く見られるようになった。こういった江戸時代を舞台にするストーリーを目や耳にしたさい、江戸っ子たちは何にいくらお金をかけて暮らしていたのだろうかと思ったことはないだろうか。
「長屋の家賃」「寺子屋の学費」といった生活費から「屋台のそば」「居酒屋の飲み代」のような食費に「芝居の入場料」「吉原通い」の娯楽費……。また、一日に三食食べることや、相撲、歌舞伎といった現代でも人気の興行は、この時代に始まっていた。メイド喫茶の先祖というべきものまで登場し、江戸っ子に大人気だった。
本書を読めば、前知識のあるなしにかかわらず、現代とは違った江戸時代の金銭感覚について大いに学べ、楽しむことができる。
江戸っ子たちは、何にいくらかけていたか。
現代の貨幣価値で換算すると、江戸の暮らしがもっと身近に感じられる。江戸の物価を知るのにうってつけの一冊となろう。

〈本書の内容〉
序 章 江戸時代のお金
第一章 江戸のお値段【生活篇】
家賃/水道代/湯屋/髪結/飛脚/駕籠/按摩/歯磨き粉・房楊枝/おしろい・紅/着物/売薬/寺子屋 ほか
第二章 江戸のお勘定【食事篇】
米/そば/すし/ウナギ/てんぷら/カツオ/マグロ/豆腐・納豆/獣肉/居酒屋/酒/枝豆/卵/冷や水/焼き芋/団子/ところてん/甘酒/料理切手 ほか 
第三章 江戸のお勘定【娯楽篇】
居合抜き/見世物小屋/芝居/寄席/相撲/瓦版/浮世絵/貸本屋/富札/朝顔・万年青/虫売り/花魁遊び/岡場所遊び ほか
第四章 江戸のお勘定【意外篇】
就活/商売の株/武士の身分/不倫の対価/牢屋の小遣い/元祖会いに行けるアイドル/伊勢神宮での祈祷/排泄物 ほか
第五章 江戸のお勘定【再生篇】
質屋の利息/献残屋/古着屋/古紙回収/古傘買い/鋳掛・焼継ぎ/雪駄・下駄直し ほか

〈本書の特長〉
時代劇や時代小説、古典落語などに出てくる江戸時代のモノの値段。「長屋の家賃」「銭湯の入浴代」「初ガツオの売り値」「吉原で遊ぶお金」にはいくらかかったのか。かけ蕎麦一杯の値段をもとに、現代の円に換算。江戸っ子たちの財布の中を知れば、ドラマや小説がもっと楽しくなる。

〈監修者プロフィール〉
大石学(おおいし・まなぶ)
1953年、東京生まれ。東京学芸大学名誉教授。1982年、筑波大学大学院博士課程単位取得退学。徳川林政史研究所研究員、日本学術振興会奨励研究員、同特別研究員、名城大学助教授。2009年、時代考証学会を設立、現在同会会長。NHK大河ドラマ『新選組!』『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』『西郷どん』の時代考証を担当している。おもな著書に『新しい江戸時代が見えてくる』『時代劇の見方・楽しみ方』『大岡忠相』(以上、吉川弘文館)、『徳川吉宗』(山川出版社)、『地形でわかる東海道五十三次』(朝日新聞出版)、『カラー版&重ね地図 地形と地理でわかる大江戸の謎』 (宝島社新書)、『一冊でわかる戦国時代』『一冊でわかる幕末』(以上、河出書房新社)などがある。最近刊は『今に息づく江戸時代』(吉川弘文館)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zag2

25
江戸時代の物の値段ってどの位だったんだろう、というのを衣食住様々なものについてまとめた本。私も以前、団子一串の値段から一文が25円から50円くらいかと想定したことがありましたが、本書では蕎麦の値段から一文を30円としています。これをもとに文化文政期の諸物価を換算しているのですが、例えば長屋の家賃が月2万4千円ほどとなる一方で、カツオ一本が7千5百円くらいと、けっこうな値段だったり、卵が1個6百円ほどであるなど「ほー」とか「へー」とか思いつつ読みました。これで落語が一段と面白く聞けるかも知れません。2022/03/16

Sakura

16
江戸時代あたりの時代物小説は好きなので、たまにこういった本を読んで、当時の物の相場を知る・確認するのは役に立ちます。家賃は現代と比べると格段に安かったなあとか、枝豆や卵はずいぶん高いなあとか、花魁遊びと岡場所遊びの金額の差とか、排せつ物の買取料とか!2023/05/20

森の猫

7
蕎麦一杯の値段など、江戸の暮らしで いろいろな値段が細かく載っていて 時代小説を読んでいて感じる物価について 面白かったです。 お大尽というのは 本当に桁が違う大金持ちなんだなぁ…と面白かったです。2021/10/31

遊未

4
生活、食事、娯楽、リサイクル等生活費がわかりますが、考えていたより高い!二八蕎麦(480円)とか時代劇で気楽に食べてるからもっと安いかと。とにかく衣食住のため。宵越しの金は持たないではなく残らないと納得。それにしても、あまりに現金収入減り続け、物価上がり続く時代に読んでしまったかもしれません。2023/08/23

Teo

4
一つ前に書評を書いたのはクラシック作曲家のギャラを現代の貨幣価値で見た物だったが、こちらは江戸時代の江戸っ子の暮らしを現代の貨幣価値で見た物。江戸っ子と言う庶民を基準にして生活にどれだけかかったかだが、今の低年収での生活とはやはり違う。物価が高いのだ。他に使い途が無いのでほぼ全力で衣食住だけに使う訳だがその単価が高い。二八そばも結構な値段だ。やはり産業化されていないので単価が高い。当時の庶民が消費していた物だけを現代で消費したらかなり少ない生活費になるが、そうは行かないのが社会が発展した結果だろう。2021/11/12

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