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内容説明
なぜ人は孤独を求めるのか? 他人と繋がりすぎた現代人ならではの潜在的な欲求――「解放されたい」「ありのままの自分でいたい」――のためか? 自らの体験に加え、孤独な生き方を実践する人たちへの豊富な取材を基に、人間の根源的な欲求を突き詰め、真に「生きる」とはどういうことかを考察する。コロナ禍において、都会を離れて暮らす方法を伝授する実用書的側面もあるノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まゆまゆ
9
最愛の息子を亡くしたことによる心の喪失をうめるため、秘境ともいえる山の中で暮らす筆者によるルポ。人と群れることへの嫌悪感から解放されたいという願望を叶えてくれる環境が人里離れた山奥だった、とのことだが、つながりから離れたがっている人々がコロナ禍においても増えているのは間違いない。実際に行動に移す人は少ないかもだけど。2021/12/07
大先生
7
息子の死をきっかけに、ありのままの自分でいるために山に籠もりたくなったという内容。山で暮らすことの苦労話や著者以外の山に住むことを選択した人々のことが紹介されています。(最後は少しスピリチュアル的内容になっていますが…。)自給自足がしたいというのとは全く異なり、只々「孤独」でいたいという話。私は人と話すのが好きなので、孤独にはあまり興味ありませんが、共感できる部分も多くありました。都会の暮らしに疑問を感じたことがある人(私を含む。)にオススメの一冊でした。2023/06/08
coldsurgeon
4
孤独でいることは、孤立していることではない。社会に群れ集うことの疲弊感から解放されたいという潜在的な願望が生み出すものである。著者は、最愛の一人息子を早くに亡くし、それに伴う喪失感やら気鬱などを嫌い、山深い秘境めいた処に移住することにより得た体験をつづっている。孤独とは「独り在ること」であり、社会的な制約や常識から解放された自己の内面との繋がり感があり、「いまここにいる自分以外の何かになろうとしない」心の安定が常に伴っている、という。娘や孫たちに執着がある私には、まだ達することができない状態なのか。2022/02/04
Asakura Arata
3
最愛の子を亡くして、座禅に励み、そこから独自の哲学理論をあみだした西田幾多郎を連想した。自然のなかで瞑想して自然と溶け込むのは、とても大事なことだと思った。2021/12/04
K K
3
今の自分にストンと落ちて良かった。 現実的には私は田舎には住めないし住みたいと思ったことはないですが、少しの期間、デジタル、都会から離れて全て置いて田舎で一週間くらい過ごしたいと思いました。10年前人間関係に心底ウンザリした時にiPhoneも持たずケニアに一人旅立ち、癒されたのを思い出した。 いい意味の孤独は浄化してくれるし癒してくれますね。 ただ、作者は再婚されているようだから本当の意味の"孤独"ではないよねとは思いました。 作中出てきた娘さんを自死で亡くした女性に一番共感しました。【コメント続く】2021/10/17