内容説明
モボ・モガが闊歩した一九一〇~三〇年代の日本では,国民の識字率の向上やマスコミの隆盛,日露戦争と第一次世界大戦の勝利など背景に,外来の言葉と文化が爆発的に流れ込んだ.博覧強記で知られる歴史学者が,当時の流行語を軸に,人々の思想や風俗,日本社会の光と影を活写する.『図書』連載のエッセイ,待望の書籍化.
目次
はじめに――ようこそ,モダン語の世界へ┴第1章 モダン,そしてモダン語とは?┴一 モダンという時代と世界とのつながり/二 文化流入の同時性とモダン・ライフ/三 激動する世界とモダン語┴第2章 百花繚乱――モダン語のパノラマ┴一 モダン語の二つの眼差し/二 モダン語の作り方/三 モダン語,あれも?これも?┴第3章 行き交う言葉と変転する文化┴一 変転する食文化の光景/二 憧憬と侮蔑の間で/三 国語と漢語が行き交う中で┴第4章 モダンの波頭を切るガール┴一 生活文化の変容と女性/二 毛断(モダン)と裳短(モダン)/三 五色譜(ゴシップ)と誤失歩(ゴシップ)そして「お座なりズム」┴第5章 モダンを超え,尖端へ,その先へ┴一 「アラ現代的」「オヤ尖端的」だわね/二 モダンを超え,その先へ/三 「三S(エス)」時代と流線型(りゅうせんかた)┴第6章 エロとグロとその後にくるもの┴一 人の本性と欲望/二 グロと犯罪そして卑近美/三 後追いするモダン語,先走るモダン語┴第7章 アジア,ローカル,アメリカとの往還┴一 世界を巡る言葉,海を渡る人/二 アジア・アフリカからのモダン語/三 地方色と郷土色そして民族色/四 「現代としてのモダン」とアメリカニズム┴おわりに――終わりなき「始まりの思詞学」┴あとがき┴主な資料および参考文献┴モダン語辞典一覧/モダン・ガール小辞典
感想・レビュー
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佐島楓
メタボン
トムトム
浅香山三郎
かんがく