内容説明
洗礼式のお祝い会で,妖精に「おまえはりこうすぎる王子になるがいい!」といわれたプリジオ王子.りこうすぎるせいで,きらわれ者になってしまいました.ところがロザリンドひめと出会ったそのときから王子は一変,火をふく竜の退治にいどみます.迫力たっぷりの挿絵はロバート・ローソン.すみずみまでゆかいな物語です.
目次
1 妖精たちがお城によばれなかったわけ┴2 プリジオ王子と家族┴3 火をふく竜ファイアードレイク┴4 プリジオ王子、おいてきぼりにされる┴5 プリジオ王子がやねうら部屋で見つけたもの┴6 町に出たプリジオ王子になにがおこったか┴7 プリジオ王子、恋に落ちる┴8 どうしたらいいだろう?┴9 プリジオ王子とファイアードレイク┴10 プリジオ王子とレモラ┴11 たたかい┴12 とんでもないできごと┴13 びっくり、またびっくり┴14 王さまの説明┴15 王さまの小切手┴16 ひめか、つるし首か?┴17 黒ネコと弟たち┴18 めでたしめでたし┴訳者あとがき┴さし絵 ロバート・ローソン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
84
【オール・ハロウズ・イヴ(All Hallow's Eve)Fantasy読書会’21(10月1日~10月31日)】妖精にりこうすぎる王子にされたプリジオ王子。みんなから嫌われるが、恋が心を変える。竜退治やいろんな夢のアイテムが登場し、楽しいお話が展開する。ほんとに利口な人は、賢いことを自慢しないよね。2021/10/04
アナーキー靴下
61
短く軽快、様々なおとぎ話から集めたアイテムやエピソードも飛び出し、楽しく読める童話である。しかし王子の利口さとは何だったのか、ひたすら考えてしまう。ちょっと利口なら周りに合わせてうまく立ち回るだろうが、利口すぎた王子は、その必要が(少なくともある出会いまでは)まったくないことを知っていたのだろう。人の気持ちを考えない、と言われると酷い奴だが、空想を一切信じない現実主義な面を考慮すると、カミュの『異邦人』、ムルソーのような人間に思える。ムルソーは世間から追い出されたが、利口すぎた王子はさらりと出し抜く。2023/05/07
たつや
42
ファンタジーの童話ではあるけれど、読んだ子供たちに、こうすると人に嫌われるよという反面教師的な思惑が込められた作品のように思えました。2017/01/27
Roko
22
むかしむかしパントウフリアという国に、プリジオという王子さまがいました。とてもきれいな顔をしていたし、勉強熱心でとっても頭がよくて、普通なら「すてきな王子さま」になるはずなのですが、残念なことにそうではなかったのです。彼は誰かとちょっと話をしただけで「なんだ、そんなことも知らないのか」「あの本を読んでいないのですか」というようなことばかり言うのです。父親の王さまに対しても、理屈で言い負かしてしまうほどで、みんなから嫌われていました。2025/03/21
昭和っ子
22
意地悪な妖精に「りこうすぎる王子になれ!」と魔法をかけられた為に、美しく賢いのに、周りの誰もを感じ悪くやり込め、決して間違わず「だからそういわなかったけ?」というのが決めぜりふの嫌われ者に成長。でも彼はめげずに、他の妖精たちの贈り物である数々の魔法のアイテムを使って逆境をはね返し、愛する美女も見つけ、怪物も退治し、大団円。してみれば、ないがしろにされたのに有効なプレゼントをする他の妖精たちはいい人達だったのね。最後に、嫌われ者の夫を心配した妻の願いを聞き届ける王子の行動は、ずるいけどえらい!と私は思った。2016/08/06