内容説明
中間層の没落、2028年米中GDP逆転、停滞する日本、広がる「K字の傷」……
激動と転換の時代、未来を考える視座をどこに置くべきか?
68人の知性と考える、25の世界の命題
2020年、新型コロナウイルスの危機が私たちに突きつけた現実は、平和と秩序の女神「パクス」のいない世界だった。
民主主義とグローバリズムの動揺、デジタルが生む分断、開く経済格差、若者たちの貧困化……社会のあらゆる矛盾があぶりだされ、世界の変化が加速している。
このような不連続の時代をどう生きるべきか? 68人の世界の知性とともに考える日本経済新聞の大型連載がついに書籍化。
目次
第1章 コロナが変えた世界
1.20世紀成長モデルの終焉/2.米中 2大国の対立/3.行き詰まる民主主義国家/4.国家や企業の存在意義とは/5.従来型の働き方の終わり/6.揺れる「都市」の価値
第2章 自由のパラドックス
1.民主主義の動揺/2.中間層の没落/3.視界不良の財政政策/4.国家のセーフティーネット/5.デジタルが生む分断
第3章 大断層の先に目をこらす
1.開く格差と富裕層の責務/2.規制すりぬけるデジタル寡占/3.若者たちの貧困化/4.体制間競争、再び/5.強まる知の保護主義
第4章 いまは夜明け前
1.ゆがむ資本主義/2.グローバリズムの動揺/3.膨張する債務と財政の不安/4.教育格差と固定されるヒエラルキー/5.企業の新たな倫理
第5章 歴史を繰り返さぬために
1.歴史のアナロジー/2.第4次産業革命のインパクト/3.SNSが揺るがす統治/4.日本の未来は
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
18
アメリカが降りたパクスを誰も担わないまま突入したコロナ禍。これは転換期なのか、であればどこに向かうのか、数十の知識人たちに問うた新聞連載。正直いえば、さほど独自性や新鮮味を感じなかった。その原因はおそらく、このインタビュー群の総体として結局、耳慣れた民主主義体制側の価値観を確認する域を出ないところにある。米中の価値観対立において、われわれの価値観を無謬とするような議論は、自身の姿以外に何を見せるだろうか。たとえばシンガポールや、中国と結びつくアフリカ諸国からの視点をもっと織り交ぜても良かったのではないか。2021/12/10
どん
5
読むのに少し苦労した。いろいろな分野の先生たちの沢山のコメントが並べられているが、何がポイントなのか、どうなるのかはよくわからなかった。 これまでに起こっていた国際社会や経済の変化、問題が新型コロナによって顕在化したり、急激に変わり始めたということはそうなんだろう。2021/11/07
chiro
4
コロナによって露呈した社会の歪みを様々な識者のコメントを通じて詳らかにしようとした試みには一定の成果はあるが、コロナを通じて我々が知った事は現実の障害を乗り越える為にこうした識者の言説は力を持っていないという事。その観点から見るとここに記されている事は分析であって次なる世界への処方箋にはなり得ていない。2021/08/21
たつや
0
2024年153冊目。コロナ以前から顕在化していた格差社会が拡大しているように見える今日の世界。日本は高齢化や、財政問題を抱え、新たなイノベーション、幸せな社会を築けるのか… 2024/07/22
akimana
0
図書館2022/02/19