内容説明
過酷な戦場で、こんなにも真摯に生きた日本人がいた――旧帝国陸海軍の将兵や関係者を自ら取材し、貴重な証言とエピソードを掘り起こした若き日の著者。その中から、「どうしても次の世代に語り継ぎたい」8人を厳選し、昭和史や戦史に詳しくない人にも読みやすい文章で綴った太平洋戦争・人物伝。平和を願い続けた歴史探偵、生前最後の著作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海月
73
半藤一利さんの最後の著作らしいですが基本的には過去作をより分かりやすく手直しした作品みたいです。 戦争のノンフィクションはやはり色々読むと世界がどんどん見えてきますね。今回のは日本人の良さが出てる軍人さんばかりでした。やっぱり旧日本帝国軍の考え方は理解し難いけどその人たちが支えてくれた日本なので感謝しかないですね。はじめに靖国の歴史が書いてあり靖国の考え方が途中から変わったとはいえいつか東京に行った時には参拝したいなと思います。 半藤一利さんもお疲れ様でした。ご冥福をお祈りします。2022/04/20
三代目けんこと
39
「もし平和が戦争の経験のあとにしか来ないならば、平和は常にあまりに来かたが遅すぎる。平和は常に死者の上に築かれるのか」(フランスの哲学者アラン) この言葉どおりに、いまの日本の平和はここに書かれた人びとの犠牲の上に築かれて、七十五年もつづいている。これを心から尊く思いつつ、この本をもういっぺん、悪戦苦闘している読書界におくることにします。【あとがきから抜粋】2021/08/09
なっく
34
昨年亡くなったジャーナリストの半藤一利さんが太平洋戦争での悲惨な人間ドラマを分かりやすく綴った作品。平易な文章で書かれていて子ども向き、なのかな?(なんで読むことにしたんだろ?)目を覆いたくなるような事実が淡々と描かれている。今の日本の平和はこの方々の犠牲の上に成り立っているとも言えるわけで、その無念さをしっかりと胸に刻んでおく必要がある。半藤さんの書籍ももっと多くの人に読まれるべきだね。2022/03/06
森林・米・畑
31
私の祖父も陸軍の兵隊だった。生きて還れた喜びと申し訳なささが入り混じって戦後生きてきたのだろう。幼い頃、祖父から戦争の話を聞いて育った。実際に従軍した者しか分からない事が沢山あるだろう。本に紹介された人たちの話はほんの一握り。平和ボケした今では考えられないが、日本もそういう時代もあったんだと改めて思う。2024/05/10
ソングライン
10
1960年作者が太平洋戦争を経験した兵士から聞き取った話をもとに8人の人物伝が収録されています。戦死し靖国神社に祭られているのは棒高跳びオリンピック選手だった大江少尉だけですが、人間としての品格を失う事なく戦争を生き抜いた人々を描き、戦争の悲惨さ、平和の大切さを訴えかけています。2024/12/05
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