内容説明
“第2のパル”が見た
日本人と「勝者の裁判」
◎日本人は残虐か ◎まさかの判事指名 ◎マッカーサーに嘆願
◎対立の始まり ◎裁判長と大ゲンカ ◎パルとの友情
◎母国へのいら立ち ◎味方は誰か ◎信念を貫く
日米開戦80年
秘蔵写真20枚収録
東京裁判の内実に迫る第一級資料
ぶつかる国益 判事たちの熱き闘い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
16
2021年刊行。月刊誌「正論」連載に加筆修正した。著者は産経新聞記者。資料的に貴重な仕事だ。東京裁判の判事の1人だったオランダのベルト・レーリンク氏の日記・書簡・意見書を紹介している。レーリングの3男が父の記録を活字化(オランダ語)していた。この3男が英訳してくれたので、日本語訳ができたという。レーリンク氏は、裁判・判決を巡る、判事たちの間の意見の相違を記録していた。レーリンク氏は多数意見に加わらず、少数意見を書いた。「平和に対する罪」での死刑には反対。残虐行為を問う通常の戦争犯罪には厳しかった。2024/07/20
くらーく
5
インド判事のパル氏に隠れてしまっているが、レーリンク判事も反対意見を文書で提出していたのだったな。本書を読むと、東京裁判に係わった司法関係者(検事、弁護士、判事)の中で、素直に結果を受け入れた人がどれだけいたのだろうかねえ。事後法、原爆、不作為。。。第二次世界大戦後の東京裁判(ニュルンベルクもかな)で、少なくとも先進国では、戦争が出来なくなった一因になるのだろうかね。核の力も大きいけど、敗戦したら、後付けの理由で死刑だものねえ。 確か、東京裁判のドラマや映画があったから、見直してみようっと。2022/01/29
porisan
5
東京裁判でオランダ代表の判事として来日し、独自の判決を出した4人の内の1人ベルト•レーリンク判事のお話。 思っていた内容と違い、彼の妻や知人に宛てた手紙や日記を基に東京裁判や判事団、検事団、弁護団等にたいして、どう思い、どう考え、どう感じたか。 そしてそれから、どう考えが変化して独自の判決を導き出したかを描いた作品でした。 彼は以前読んだインドのパル判事と違い東京裁判そのものを否定し被告全員を無罪としたのと違い、被告25人のうち3人を無罪としています。 東京裁判、もう少し勉強してみたいと思います。2022/01/02
らま(羅眞)
0
内容とは関係ないんだけど、何で単に日本人と言う意味でしか使ってないだろう箇所もジャップって訳してるんだろう。蔑称とされてる単語を使う理由とは…?2021/12/16